月別アーカイブ: 2024年10月

試行錯誤

9月に能登半島地震の被災者へささやかな支援をと思いささやかなチャリティーコンサートをしましたが、その後同じ9月にまた能登は豪雨に見舞われ、再び深刻な被害が出てしまいました。直後、とりあえずXで能登の神社が呼びかけられていた支援に応え少しですが支援物資の購入をしました。aidShop.orgへの支援も細々ですが続けています。

第2回チャリティーコンサートを企画するにあたり、金額の設定、どこへ寄付するのか、何を購入するのか、そういうことを考えた時、改めて悩ましいと思えてきました。
一度やってみた結果、そういうことは個人個人で判断した方がいいのではと思うようになりました。

というわけで、最初は続けていこうと思っていましたが、チャリティーコンサートはとりあえずやめます。
できれば自分のできることを生かして、何か少しでも役に立つことがしたいと思っていますが、試してみては考え、試行錯誤が続きます。

下鴨つどいの広場(2024.10.26)

下鴨つどいの広場こがもの「乳幼児親子のつどいの広場」に行ってきました。
2週間ほど前に見学に行って体験もしてきましたが、たまに行って2時間ほどお手伝いさせていただくことになりました。
こちらの広場は週5回、午前から夕方まで開けておられます。乳幼児の親子が来て、遊んだり、おしゃべりしたり、くつろいだりして過ごす場所です。

今日は、0歳から5歳までの子どもたちがいました。ハイハイの子から跳び回る子まで狭いスペースで遊ぶので、お母さんたちが一緒でも、けっこう目が離せないという感じです。でも、みんなかわいいし、楽しい。
基本、思い思いに遊ぶという場ということですが、今日はちょこっとハロウィーンの工作をしていました。

アップライトピアノの蓋が開けてあり、たまに子どもたちがバンバンと音を出していました。

色々な月齢、年齢の子どもたちと接しながら、何を感じているのかな?どう思っているのかな?と興味深く思っています。

ピアノに合わせてあそぼう(2024.10.21)

今日はじゅらく児童館の「ピアノに合わせてあそぼう」の日でした。
珍しく0歳児さんはいなくて、1歳、2歳児さんたちでした。

今日のプログラムは以下のとおり。

・自己紹介(お子さんの紹介と好きな絵本)

・おはようのうた

(季節の歌)
・どんぐりころころ
・虫の声
・まつぼっくり

(手あそび)
・おいもごろごろ
・やきいもグーチーパー
・大きな栗の木の下で

(今月の歌)
・やぎさんゆうびん
・おうま

(歌に合わせて動きましょう)
・はたらくくるま
・とんでったバナナ

(演奏)
・見知らぬ国と人々について(シューマン)
・輪唱歌(シューマン)

好きな絵本では、ノンタンや五味太郎さんの絵本などがありました。お子さんたちの親世代も親しんでいた絵本ですね。
来月は11日です。

親子のつどいへ

昨日、下鴨つどいの広場こがもの「乳幼児親子のつどいの広場」に行ってきました。
見学が目的でしたが、2時間ほど、来られていた親子とゆったりと過ごしました。0歳児から3~4歳くらいの乳幼児とお母さんたちでにぎわっていました。

部屋にはアップライトピアノがあり、音楽のイベントなどどうかなと思っていましたが、こちらのつどいの広場はイベントよりも、実家にいるようなくつろいだ気分で過ごしてもらうことを大切にされているということでした。おもちゃや絵本などがあって、自由に遊んだりおしゃべりしたりという感じです。

ここ10年ほど子供と音楽の関係や子供の発達のことなどについて色々勉強していますが、いつもの音楽のイベントではそれほど親子とゆっくり過ごせることもないので、こういう機会を作りたいと思っていました。
特に孫が生まれて近くで子守りの手伝いを始めてからは、子供の成長がこれほど興味深いものかと改めて思っていて、現在進行形で感じていること、役立ちそうなことをもっと共有できればと思っています。

もちろん、子供の個人差も大きく、今のお母さんたち世代と私たち世代とでは、子供に対する気持ちの余裕や経験も違って、良かれと思って言うことがどう受け止められるだろうかと常々注意はしています。
これまでも児童館などで、軽い気持ちで言ったことが深刻に受け止めてられないだろうかと後から気になったこともあります。育児で心に余裕がないと不安を感じていたり、傷つきやすかったりすることもあるかもしれません。そうであるかないかは表面上はわかりにくいですし。
子育て世代の力に少しでもなれればと願いつつ、どう関わるのがいいか、試行錯誤しています。

このつどいにはまた行かせていただき、よりよい関りについて考えていきたいと思います。

京ことば源氏物語

昨日、冬青庵能舞台へ源氏物語の語りと雅楽の演奏を聴きに行ってきました。
語りは山下智子さん。彼女は高校の同窓生です。
長い年月が流れたのち、偶然電車で山下さんに出会いました。その時に源氏物語の語りをしていることを知り、それから定期的に案内を送ってもらっていました。そのうち行こうと思いつつなかなか行けていませんでした。

今回行くにあたり、予習をしました。源氏物語の中の「紅葉賀(もみじのが)」という部分です。源氏物語は高校の古典でやりましたが内容を全く覚えておらず、何年か前にまとめ動画のようなものでざっくりとした流れを聞いたくらいであまり把握できておらず、また「紅葉賀」だけでは話の途中であり、人間関係とかそれ以前の背景がわからないから、改めて話の始めからの解説動画を聞きました。主に台所に立っている時のながら聞きですが、古典の先生らしき人(?)のその動画は30分くらいの長さのものが続きで30本以上もありました。
途中「紅葉賀」が出てきました。全部聞くのは時間かかりましたが、それらの動画は第一部で、まだ第二部、第三部とあるのですね。なんと長い話。

第一部の動画を聞き終わってから、青空文庫で与謝野晶子の訳による「紅葉賀」を読みました。それで、解説動画では語られていなかった細かい部分を知ることができました。

昨日聴いたのは、国文学者、中井和子さんによって訳された100年ほど前の京ことばによる源氏物語です。読んでいた与謝野晶子の訳とは違うし、他の訳とも違う。

実際聴いてみて、この、京都を舞台にした物語が京ことばで語られることの面白みを改めて感じました。声色も人物に合わせて変えて、表情豊かに語られる様子に聴き入り、見入りました。

山下さんはホームページで女房語りについて次のように述べています(京ことば源氏物語とは)。

 平安期には、宮中に仕える身分の高い女官を女房と呼びました。紫式部も上東門院(一条天皇中宮彰子)に仕える女房でした。
 京ことばは書き言葉ではなく話し言葉です。ですから原文を標準語化したときの地の文の朗読とはすこしニュアンスが違い、宮中に仕える女房が垣間見た出来事を問わず語りに語るという風情があるのです。

問わず語りとは、尋ねられていないのに自分から語ることです。
話し言葉を使うことにより、本を読む朗読ではなく、語っているという様子になる。
山下さんのこだわりが少しでも感じられた気がします。

今回、訳文まで読んだのは「紅葉賀」だけですが、読むことにより(わからないことは調べて)物語そのものが含んでいる多様な文化的価値に触れることができました。全部読めば、この物語が千年以上読み継がれ、世界で評価されている理由がもっとわかるかもしれません
ただ、なにせ長い話ですし、他の色々のことをしていると時間がなさそうです。また聴きに行く機会があれば、それに合わせてその部分を勉強することになるかなという感じです。

雅楽の演奏も楽しみにしていました。笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)の3人による演奏です。「紅葉賀」の中に出てくる「青海波(せいがいは)」という舞楽の曲や、語りのBGMなどを演奏されました。
解説もあり、それぞれの楽器の特徴や音色についてより理解できました。普段弾いたり聴いたりしている西洋音楽とは違う音楽であること、そちらが実は私たち日本人の音楽であるのだと思いつつ、その音色を感じ、その違いについて改めて考えました。

何でもネットで視聴できる時代ですが、やはり実際の体験は面白いですね。その場の空気を含め体全体で感じること、目の前で人が何かをしていることを直接見ることで感じられることは大きいし、そのことによって感受性も磨かれるのではと思っています。