大津絵をご存知でしょうか?
大津絵美術館(大本山圓満院)には次のように書かれています(抜粋)。
大津絵とは、今からおよそ340年昔(江戸初期)、東海道五十三次の大津の宿場(大津の追分、大谷)で軒を並べ、街道を行き交う旅人等に縁起物として神仏画を描き売ったのがその始まりです。
名も無き画工たちが書き始めたのが始まりで、その多くの絵柄は風刺、教訓の意味を持っています。
実は先日、週末のウォーキングで大津まで行って成り行きで寄った大津市歴史博物館で大津絵を見ました。その近くの圓満院に大津絵美術館があるのは帰ってから知りました。
この博物館には琵琶湖周辺の歴史や近江大津宮、滋賀にゆかりのある紫式部や源氏物語にまつわる展示などがありました。最近、大津の辺りを歩いてその地域の歴史のことを学んだりしているので、どの展示も興味深く面白かったですが、特に大津絵は印象に残りました。
展示物のところに大津絵は民藝運動の柳宗悦もその価値を評価していたという説明があり、なるほどと思いました。柳宗悦は無名の職人たちによる日用品などの芸術性を「用の美」として評価していた人ですが、大津絵にも共通点があると思えます。
特に面白いと感じたのは「鬼の念仏」(画題の一つ。他にも「藤娘」など)です。描かれているのは僧侶の格好をした鬼ですが、偽善を風刺しているようです。外見と内面のギャップを僧侶と鬼で表しているのです。なんだか憎めない感じの鬼たちですが。
機会があれば、大津絵美術館にも行って改めて見てみたいです。