月別アーカイブ: 2017年1月

身体による表現

今日は京都音楽院で行われたクリエィティブリトミック音楽指導研究のうちの、「身体による表現」(ボディクリエーションコース)に参加してきました。

ちらしによると、「音楽や表現を体験的に理解し、模倣や即興、創作の遊びを通した創造的な音楽活動の提案を実践していきます」などと書かれていますが、どんな内容なのかいまいちわからないまま、でも今私が気になっていることに近い感じもして、トライしてみることにしました。

講師の井上浩子さんは、音楽教育家のオルフやダルクローズの考えを紹介しつつ、体を使ってできる表現について、様々な方法で指導してくださいました。先生はヨーロッパやアメリカで学んでこられていますが、向こうでは音楽家はみんなダンスを学ぶということです。体を使ってリズム感覚を習得するという考えのようです。単なるリズム感覚ではなく、豊かなリズム感覚と感じました。

今日はたくさん体を動かしましたが(音楽ありとなしの両方)、その際どの部位が働いているのかということに意識を向けるということをたくさんやりました。その中で「筋感覚」のお話もありました。

筋感覚については以前読んだ『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』で知り、その話をしました。この本では、筋感覚は五感の次にくる第六感と位置づけていています。ピアノを弾く時どこの関節、骨、筋肉が関係しているのか、そういったことを意識することによって、弾き方が変わってくる。今日のお話と重なる部分があります。

体の仕組みを知りむだな力を使わず動かすという物理的な側面と、音楽を感じて体で表現するという芸術的な側面の両方について改めて考え、また体を動かすことと心理面との関係を認識するなど、とても有意義なワークショップでした。
最近取り組んでいることは、私の音楽そのものと、みんなと共有するための音楽活動どちらにも生かしていけるものじゃないかなと感じています。

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どこかの誰かさんが……

YouTube以外にSoundcloudという音楽サイトに自分の作品をアップしていますが、フォローされたらフォローするくらいの感じで自分からアプローチしてないので知られこともあまりないのかなと思ってますが、昨日ふとある人がリストを作っていて、私の曲が1曲入っていることに気づきました。
なんとそのリスト名が
“Neo Classical Artist to Watch – 2017″! そんなあ~💕(笑)

ありがたいことです。この方は私よりももっと積極的にSoundcloudを活用されているので、私の曲もこれまでより多くの人に聴いていただける機会が増えると思います。リストにはけた違いにたくさん再生されている素敵な曲がたくさんあって(私のが少なすぎ)、興味深く聴かせてもらっています。私浮いてない?とか思いながら(笑)💦。
私のことを知らない人が音楽だけを聴いて選んでくれたということはうれしいことです。私は決して自分に自信があるわけじゃないけど、ただ素直にうれしいです。
今次の録音に向けて準備中ですが、あれこれ取り組んでいるので時間がかかってしまってます。今回のことでまたさらにやる気でてるので(ほんと単純だから)、早くスタジオ行けるようにしたいです。

Future Classical Sovndscapes

「即興」について考える

今年最初のブログです。今年もよろしくお願いします。
先週の金曜日、ダルクローズ・リトミック京都研究会の月例会に参加しました。田中弥生先生はダルクローズ国際ライセンスをお持ちで、内容はリトミック、ソルフェージュ、即興、鍵盤和声、指導法と盛りだくさんでした。全体を通して即興の要素が多く(リズム、歌、ピアノ)、またグループで行うのでリズムのかけあいをしたり、メロディーを紡いだり、音楽を通してのコミュニケーションを何度も意識し、興味深かったです。

以前ブログで一部ご紹介した『フリープレイ―人生と芸術におけるインプロヴィゼーション』(スティーブン・ナハマノヴィッチ著/フィルムアート社)は、まだ読んでる途中ですが、この本を読んでから「即興」(インプロヴィゼーション)とは広く創造を意味するものとしてとらえるようになりました。この本の中に「作曲とは、インプロヴィゼーションをゆっくりおこなうことである」というシェーンベルクの言葉が紹介されています。この本では音楽に限らず、生きていく上での「即興」(創造)の重要性を説いていると感じます。
ナハマノヴィッチはヴァイオリニスト、作曲家、詩人、教師、コンピューターアーティストということですが、コンピューターと人間の違いについてこんな記述があります。

「コンピューター演算は、AからBへ、BからCへ進む直線的プロセスであるのに対し、直観はむしろ、集中的な演算です。すべてのステップと変数は、一度に、いまの瞬間という中心の決定点に収斂します。」

AI(人工知能)の進歩が目覚ましい中で、やはり人間にしかできないことについて考えさせられます。人間の創造力によってなされることがそのうちの一つではと思います。

昨日たまたまのぞいた十字屋のワゴンで『おとなと子どものための即興音楽ゲーム』(リリ・フリーデマン著/音楽之友社)という本を見つけました。少し読んで著者にとても興味を持ちました(そして40%offで買いました!)。
訳者のまえがきに著者について次のようなことが書かれていました。

「私は音楽療法の勉強はしていません。療法的効果をねらってゲームを考案している訳ではないのです。ただ、私と一緒に一定の期間、こうしたゲームをやってきたおとなや子どもたちから、精神的ストレスが主な原因となる症状がやわらいできた、という話はよく聞かされました。私のいくつかのゲームによって、あるいは、参加者がお互いを認めながら同等のレベルでのパートナーシップの下で進めるというゲームの原則によって、ねらわずとも自己の内面の力が強められ、自身が変わっていくということは、私にも参加者の体験を見ていて確かなことです。」

確かに、先日のリズムやメロディ―や動きの即興は楽しいものでした。精神の解放という感じでしょうか! 音楽を感じてそれを自分の感覚で表現していく。その時に「即興」することで引きだされる可能性のようなものを感じました。普段から常に音楽で表現しているつもりでしたが、また「別の何かがある」という感じ。知らなかった自分?みたいな。
フリーデマンのゲームがどんなものかまだ見ていませんが、やり方はともかく、その結果もたらされたことが興味深いです。
もともとヴァイオリニストであるリリ・フリーデマンが即興演奏や指導を始めたきっかけについて書いてあります。

「いつだったか、ある音楽会議で音楽家たちが集まった時に、こんなことを言う人がいたのです。『こんなに何人もの音楽家が集まっているというのに、一緒に何も弾けやしない。ただ、楽譜が手元にないからって、こんなことでいいのかい?』この言葉は私に大きな衝撃を与えました。」

私はとりあえず自分が即興演奏をしたいというのではなく、創造という意味での即興の持つ可能性を探り、それをなるべく多くの人と共有したいと考えています。

 

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