月別アーカイブ: 2020年6月

“imaginary world” リマスター版出しました

今月始めより、録音から編集まで自分でやった「imaginary world」というアルバムをリリースしていましたが、しばらくしてやはりミックス・マスタリングをエンジニアにお願いしようという気持ちに変わりました。アルバム出す前にそうすればよかったんですが、だいぶ迷った結果自分でやろうと決めたので出してしまいました(笑)。

何日かたって冷静に聴いたり、考えたりして気が変わりました。普通なら、多少後悔してもそのままにしておくかもしれませんが(実際、思いついた時は自分でも「うそやろ?」と思いました(笑))、その方がいいと思い始めたらだんだんその気持ちが強くなって、そうなったらやるしかないと、思いついてから実行までは早かったです。

すぐに以前お試しでサンプル音源を作っていただいた、ハイブリッド・サウンドリフォームに連絡をして、ミックス・マスタリングの依頼をしました。それから何度かやりとりをし、仕上げていただきました。納品のあと、私が録音の時点で改善すべき点があるという話をしたら、エンジニアの方が具体的にいくつか問題と思ってらっしゃる点について指摘してくださいました。

その内容を知り、ちょっとこれは……と唖然としました。自分が思っていたのとはまた全然違う部分で問題がありそうなことがわかりました。DAW(録音編集ソフト)の設定などが含まれますが、それらが間違っていたようで、そのためにミックス・マスタリングでずいぶん苦労をさせてしまったように思います。とてもがんばってくださいました。録音環境、機材の点で限界はありますが、今回わかった問題点をもう少し改善すればさらに向上するのではと思います。

このアルバムに関してはこれでようやく一区切りがついたことになります。自宅録音にトライし始めてからここまでが長かった~(笑)。やれやれ。

まだまだ過渡期という気分です。多分ずっとそう思うのでしょうけど。要領が悪いんだろうなといつも思います。ただ、まだもっと良くしたいという気持ち(モチベーション)はあります。それがある限り、しぶとく続けていくんだろうなとぼんやり思っています。

各種音楽配信サイトより配信が始まりました。よかったらお聴きください。

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ベートーヴェンの本 その2

先日、『ベートーヴェンの生涯』(青木やよひ著/平凡社)を読み終えました(改めてもうちょっとじっくり読みたいですが)。いやあ、良かった良かった。

興味深く感じた個所は山ほどあります(笑)。ご紹介しきれませんので、興味のある方は読んでください(笑)。それで、最も強く印象に残った事柄について書きたいと思います。超有名な『交響曲第九番』が生まれた背景についてです。ちょっと固い話と感じられる方はスルーしてくださいね。

著者、青木やよひさんの考察になりますが、まず、ベートーヴェンにとって「神」とは何だったのかという問いかけがあります。彼は「神」というものをいつも身近に感じていた。それは、「人間の良心のよりどころとして」そして、「苦難の癒し手として」。

ベートーヴェンにとっての最初の「神」は、洗礼を受けたボン(ドイツ)の聖レミギウス教会。この教会が属する宗派は「自然への愛好」「人間同士の友愛的連帯」「異教への寛容」を特色としていた。その教会で、ベートーヴェンは少年の頃よりオルガンも弾いている。

その後、ベートーヴェンはキリスト教以外の宗教や様々な思想にも出会う。

「古代ギリシャの詩人たちの作品やカントの自然史研究の理論書などの他に、インドの聖典や宗教書などに深く共感し、それらからの引用を数多く『日記』に書き残していた」

一方で、聖書からの引用は一度もないということ。

ベートーヴェンは第九を作曲する前に「ミサ・ソレムニス」という大曲を書いている。4年の歳月をかけ作り上げたけれど、それに満足できない。その理由をロマン・ロランが「多分彼の神が〈教会〉の神でなかった」と述べていることを紹介。

「人生のモットーとして机上に置いていたのも、エジプトのピラミッドに刻まれた碑文の一部だった。こうした彼の精神世界のありようは、正真のキリスト者にとっては〈異教的〉と見えることだろう」

自由・平等・友愛の精神のもと教会の権威を批判する立場をとるフリーメーソンという組織の会員に、尊敬し親交もあったゲーテ、第九の原詩の作者シラー、モーツァルト、ハイドンなどの他、親しい人たちが名を連ねていたけれど、ベートーヴェンの入信記録は見つかっていない。

「彼自身のアイデンティティーにメーソン的な思想基盤があったことは疑いない。それにもかかわらず入信しなかったとすれば、彼は思想信条は共有するが、いかなる集団の掟にも縛られたくないとする独特の自由精神の持主だったと見ることもできよう」

結局、ベートーヴェンが思う「神」とは、特定の既存の思想ではなかったという見方です。たくさんの素晴らしい考え方、思想を取り入れながらも、一つの思想の下に縛られたくない!ここ、とても共感できます、私。

それで、いよいよ「第九」です。彼にとっての「神」つまり「自分の思想」を音楽によって表現したものがあの曲だったということです。

『第九』は長い人生のさまざまな時期にベートーヴェンの中に宿った、時には対立さえする多種多様な思想や動機が、半ば無意識に合流し統合された作品と言えよう。しかしその方向性は一瞬にし て決ったのだ。『ミサ』から手が離れた時、自分の最後のメッセージは、あれではない、これだ!  と閃いたに違いない。これとは何か? 教会の典礼文ではなく、自分の言葉によって、自分の神に、 生きとし生けるものと共に、喜びにみちて祈ることが可能な音楽に他ならなかった。

(自分の言葉→原詩はシラーの詩「歓喜に寄せて」)

対立する思想さえも乗り越え、喜びを共有することは実際難しいし、理想的すぎるかもしれない。でも、ベートーヴェンのようにどこにも属さず自由な精神であることは(彼自身の思想はある)、色々な考えの人たちとの対話を閉ざさないということだと思う。私も最近ちょうどそのようなことを考えていたので、この本に出会ったのはグッドタイミングでした。

ベートーヴェンは20代から難聴が始まり、やがて聞こえなくなる(それで作曲ができていたことがすごすぎる!)。そして、何度も失恋をし、苦悩する。持病などもあり、様々な困難に直面するけれど、創作への意欲、使命感が何度も彼を奮い立たせる。そしてずっと彼を支えてきたのが、彼が信じる「神」(思想)であり、それが人々と共に喜びを分かち合う大作として結実した。なかなか感動的ではありませんか!

ベートーヴェンの葬儀にはウィーン中から2万人、3万人という規模の市民が集まったということです。彼が音楽を通し、社会にのためにしようとしたこと、それが多くの人の心を動かしたのかもしれません。

ベートーヴェンという人は、思っていたイメージをはるかに超える興味深い人物、偉大な音楽家でした。

 

読んでいる途中から、ベートーヴェンの曲を弾きたい気分になっていました(長らく弾いてなかったしあまり弾くこともないと思っていたけど)。5月末までアルバムリリースの準備をしていたので、終わってからピアノソナタを何曲か弾きました。本を読む以前とではやはり違う気持ちで作品に接しました。新しい発見もあり面白かった。

 

 

ニューアルバムリリースしました

とうとう自宅録音で作ったアルバムをリリースしました。2月始めにに新しいマイクを追加で買ってから、約4ヶ月が過ぎていました。もちろん、毎日取り組んでいたわけではないですが、ブログにも書いてきましたとおり、試行錯誤を重ねながら取り組み、なんとか目標にしていた5月末にリリースの手続きを終えました。

もちろん、色々と問題あると思いながら出しました。曲作り、演奏、録音、編集、どの点においてももっと改善したい。でもそれはずーっとそう思い続けると思います。前よりは少し良くなったとしても、まだまだ良くするぞという具合に。なので、ただやり続けるだけです。

それでも、今回も録音・編集に挑戦したことですごくたくさんのことに気づきました。なので絶対にやってみてよかった。例えば、スタジオではヘッドホンせずに録っていましたが(その方がやりやすかったので)、家ではヘッドホンをつけて録りました。それはコンデンサーマイクがすごく微妙なニュアンスも拾うので、ヘッドホンで些細な音の違いを確認しないと、弾いている時に気づかないようなことが録音されたものに表れている。

最初は、音のばらつきなどが気になったけど、やがてそれを整えるためにどのように弾けばいいかということに意識がいき、結果的に演奏の精度が上がる。自分の耳で直接聴いている音では問題なくても、録音されたら問題に感じる部分が出てきて、でもそれを聴いていただくことになるのだから、そこに合わせていかないといけない。録音を重ねるごとに、良くなっていくと思うので、まだこれからの課題の一つです。

また、録音そのものは特に大きな問題はないのに、なんか今一。なんでやろう?と考えて、ああ、曲が今一なんだ!ということもたびたび。録音したのにやめた曲、編曲しなおしたりと曲の見直しにも時間がかかりましたが、これもスタジオの場合、用意していった曲を録るしかない。今回、もう少し入れたかったけど結果的に7曲になりました。

その他にも色々ありますが、また別の機会に書くかもしれません。

前にも書きましたが、どんなスピーカーで聴いても良く聞こえることが理想ですが、それはなかなか難しい。今回、イヤホンで聴いてほどよい感じに仕上げました。なので、パソコンのスピーカー直接だときつく、あまりいい音には聞こえません。少し良いスピーカーならましだと思います。パソコンのスピーカー直接でもやわらかく聞こえるようにすると、イヤホンで聴いたらかなりぼやけた音になってしまう。これは外注すればかなり改善される部分ですが、自分の作ったものがどの程度聴かれるか、ストリーミングの回数がこれまでのアルバムと同じくらい上がるかどうか、見てみたいというのもあり今回はこのまま出してみました。

打鍵の際に出る、ダンパー以外のちょっと気になる音は、ノイズ除去ソフトである程度とりました(曲によって残り方が違います)。これも自然な録音を考えると、どの程度が良いのか難しいところです。

もうほぼどのサービスでも聴けるようになっていると思います。

興味のある方は聴いてみてください。

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