月別アーカイブ: 2019年10月

香港旅行

10月16日から19日まで家族で香港に行きました。何年か前からお付き合いのある香港人のご夫婦(お子さんたちとも)が日本に来られるたびに、ぜひ香港にも来てくださいと何度か誘われていました。9月にも誘っていただき、断り続けるのもどうかと思ってついに行くことにしました。

何か月か前から、香港では主に毎週末デモがあり、デモ隊と警察の衝突がだんだん激しさを増していて、そういったことも気になっていましたが、現地の人と一緒に行動するのと旅行の日程はほぼ平日ということもあり、とりあえず大丈夫と判断しました。それでも、ネットでは出発直前まで情報をチェックしていました。

実際香港に行ってみると、空港のチェックが厳しかったり(8月にデモ隊による占拠があり、多くの飛行機が欠航した)、駅が閉鎖されていたり、普通ではないことが感じられる場所はいくつかありましたが、香港人ご夫婦の配慮もあって、特に問題なく観光を楽しむことができました。

滞在はご夫婦のマンション。バスルームも別々にあり、部屋も私たちのために二つ用意してくださいました。夕方に到着後一服したあと、手料理でもてなしていただきました。近くに住む娘さんも来られ、食後には、ぜひと言われ順番にピアノを弾きました。

 

2日目は香港島へ。

ビクトリアピークからの眺め

山の上には南国っぽいハイビスカス以外にもこんな山野草のようなかわいい花も咲いていた

超高層の建設現場は見なかったけど、そこそこ高いビルの足場が竹で組まれているのをいくつか見かけ、驚きました。折れたりしない? でも軽くて持ち運びは便利そう。

ビクトリアピークから降りて、街中へ。長く急な坂があり、長いエスカレーターがある。映画のロケ(「恋する惑星」とか)にも使われたという。美術館、ショッピングモール、露天、壁画など、興味そそられるものがたくさん。

この他にも色々、コンテンツ盛りだくさんで、半日ではとても見きれませんでした。

3日目は九龍エリアへ。

午前は香港文化博物館。

ブルース・リーの特集もあり、彼のことはあまり知らなかったけど、ドキュメンタリー映像や展示物から人柄や文武両道であることがわかりとても興味深かった。

本場の飲茶はやはりおいしい。家でいただいた料理も含め、食文化の奥行きを感じました。

その後、西九龍文化地区へ。

美術館がいくつかあると思っていたんですが、工事中のものも多く、舞台芸術劇場「Xiqu Centre(戯曲中心)」を少し見学しました。

この近くの駅はバリケードが築かれていて、出入りできる所はすぐに閉じられるようになっていました。この辺りで20日にデモが予定されていることを、在香港日本国総領事館からのメールで知っていました。

それからご夫婦が連れて行ってくれたところは海辺の観光スポット。ちょうど日が沈むところでした。

日没から夜景まで、存分に楽しみました。

次の日の朝、マンションで一緒にテレビを観ていると、ちょうど私たちが歩いていた海沿いの近くで小規模なデモがあったとわかりました。特に問題はなかったようですが(そして私たちが帰った後、20日には同じ辺りで大規模なデモがあったのをネットで見ました)。

お昼ごろ出発し、ご夫婦に空港まで送っていただきました。空港では見送りの人は入れないので入口で別れました。建物の入り口でパスポートのチェックがあり、私たちが日本人とわかると、スタッフはにっこりして「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」と言ってくれました。

以上、ざざっと旅の様子を書いてみました。

香港は思っていた以上に国際都市で、色々な国の人たちがいます。アジア系の人たちが多いですがぱっと見、どこの出身かわかりません(何度かお店でたどたどしい日本語で話しかけられる場面があって、向こうから見るとわかるのかな?)。店員やレストランの人も客と対等に話す感じで、レストランでは注文している様子を見ていると、「いや、こちらの方がいい」とレストランの人が意見して、「これでいい」と言っても食い下がってしばらく押し問答が続くということもあり面白い(大体、広東語<かんとんごーカントニーズ>なのでわかりませんが後で教えてもらって)。日本のように立場で上下関係があるという雰囲気ではなく、より自然なコミュニケーションをとっているのがいいなあと思いました。

セブンイレブンやサークルKがあちこちにあって、また日本のレストランや商品もあり(太田胃散買いました!)、日本語の表記もよく見かけ、外国に来ているのだけど妙な親近感がありました。もちろん、同じアジア系の人たちが多いというのも、雰囲気が近いし、リラックスできる理由だと思います。

実は香港はずいぶん昔結婚する前に行ってるのですが(その時ろくに英語が話せなかったのが悔しくて帰ってから英語の勉強をはじめました(笑))、ビクトリアピークのケーブルカー(今はない?)が急すぎて怖かったのと食べたものくらいしか覚えていなくて(笑)、確かに街の様子はかなり変わったと感じますが、今回のように社会や経済、文化といった視点では全然見てなかったので、同じ場所でもある程度人生経験積んで行くと違う風に感じられて面白いですね。香港の人と一緒に行動したというのも大きいです。説明してもらえるので。

久しぶりの海外旅行で日常から離れて過ごした4日間は、思っていた以上に多くのことを感じて印象深い思い出になりました。香港のダイナミズム(そしてそこにつながる中国の)を感じ、自分が生きている世界を客観的に見ることができた気がします。井の中の蛙が井戸から出てきょろきょろしている感じ。ネットで見ているのと肌で感じるのは雲泥の差ですね。行く前と後で、自分の中で何か変わったくらい影響ありました。

香港ではまだ抗議活動が続いているようで、今後の情勢が気になっています。旅行は終わりましたが、引き続き見守ります。

 

子育て講座を終えて

今日は、聚楽保育所とじゅらく児童館共催の子育て講座で講師をしました。毎月の「ピアノに合わせてあそぼう」とは別に年に一度やらせていただいています。今回は15組の親子が参加してくださいました。毎月のイベントはほぼ音楽ばかりですが、こちらのイベントは「お話」もします。これまでは子どもと音楽に関する話が多かったのですが、今回は「赤ちゃんのこころってどんな感じ??」というタイトルで、赤ちゃんの心の成長について少しお話をしました。

参考文献は『赤ちゃんの心はどのように育つのか』(今福理博著/ミネルヴァ書房)を使いました。それをもとに作成した資料より一部抜粋して要約します(引用を含みます)。

☆感情の発達

・誕生したて→興奮のみ

・3ヶ月ごろにかけて、快と不快に分化。相手の笑顔をごぼうびとして感じられるようになる

・3ヶ月以降から喜びや怒りなどの基本感情に分かれていく

・1歳頃、養育者に安全であるかどうかを表情より読み取り安心する

・18ヶ月 照れ、恥、罪悪感、誇りなど比較的複雑な感情がめばえる

 

☆共感する心

・情動的共感

泣きの伝染(新生児期~)

表情伝染(4~5ヶ月~) 養育者とのコミュニケーションを通じて発達

・認知的共感

15ヶ月くらいでみられるよう。話せなくても相手の心的状態を理解している

 

☆人の利他性(人のために何ができるか考えること)

・絵本の読み聞かせの際、登場人物の感情を考えてみるよう促す(こう感じていると決めつけるのではなく)ことが共感力の発達につながる。

・他者と動きを合わせる、相手から真似をされる→人を助ける行動につながる。

・表情やしぐさを真似する相手にポジティブな感情を抱く

 

ざっとですが、こういった資料をもとにお話ししました(月齢については個人差もあるだろうし、あまり気にせずと付け加えました)。今回特にお伝えしたかったのが、

・赤ちゃんの心の成長がおそらく一般的に大人が考えているよりも早く始まっている。

・反応がよくわからなくても、話せなくても色々なことを感じていて、心は育っていっているから、コミュニケーションが成立していないようでも、やればやるほど伝わっている。

・共感する力も早くから育ち始める。これを伸ばすには養育者の接し方が重要。

などですが、つまり、今一何を感じていて考えているのかわからない乳幼児も、コミュニケーションを仕掛けた分、ちゃんとそれが成長に役立っているから、やりがいありますよってことです。保護者の方々も、情報に接したり考えたりされていると思いますが、なかなか育児に追われて余裕がないかもしれないから、もし少しでも参考になれば幸いと思ってお伝えしました。知っていれば楽になることもあると思います(私も自分の育児の時にこれらのことを知っておきたかった(;’∀’))。

お話の後は、いつものようにピアノ演奏と歌(みんなで一緒に)でした。

終了後書いていただいたアンケートを見ていると、ピアノが聴けてよかった、ピアノの音色がきれかった、ピアノで子どもが泣き止んだ、楽しそうだったとピアノに関するポジティブな感想が多くそれは何よりうれしいことなのですが、お話に関してはあまり具体的な感想はなく、どう受け止められたのかわかりません。

私としては、普段仕入れた子育てに役立ちそうな、少しでも楽になるような情報をお伝えしたいなあという思いがあり、こういう機会にお話しさせていただいていますが、それが求められているかはわかりません。でも、こうやってブログに書いて残しておけば、たまたま探している人が目にするということもあるかもしれないし、誰か興味をもってくださったらいいなあと思います。

とりあえず、今日のイベントについておおまかに書きました。

(*画像をクリックするとアマゾンにとびます)

 

イナズマロックフェスへ行って

もうだいぶ日がたちましたが、9月22日にイナズマロックフェスへ行った時のことを書こうと思います。

このフェスは今年で11年目ということですが、うちの娘が主催者西川貴教さんのファンで、毎年欠かさず通ってきました。今年、直前になり一緒に行くはずだった娘の友だちが行けなくなり、一人ではつまらないなあというので、土日のうち日曜だけ夫と一緒に付き合うことにしました。

PAを使った大音量の音楽はもう苦手になって長らく遠ざかっていたし、ロックフェスにも特別興味はなかった(西川さんの音楽は娘を介して知ってて親しみのあるのもあります)のですが、このフェスは無料エリアが充実していて、そこでミニライブがある(別に聴かなくてもいい)、たくさんの屋台があっておいしいものが色々ある、ピクニック感覚で過ごせて子連れでも来やすいなど、音楽目的でなくても地元の人たちに来てもらって楽しんでもらうような配慮が色々なされているようで、そういった点は興味があったし、夫と私も特に目当てのバンドがなくても無料エリアで過ごせるかなと思いました(チケットのある娘は目当ての西川さんや気になる人のライブの時だけ有料エリアに)。

実際行ってみると、大体イメージどおりでした。たくさんの人、様々な屋台、小さな子がいる家族連れ、年配の人たちも。無料エリアにはミニライブステージが二つ。一つはバンド用。もう一つはゆるキャラメインで芸人なども出てくるステージ。だけど、聞いていて知ってることと、その場で感じることはずいぶん違いました。当たり前だけど。

人々のファッション。目当てのバンドのTシャツやグッズを身に着けていたり、その日に合わせて自分をアピールするような恰好をしている人たちがたくさん。フェスに来た人たちが能動的に参加する意思表示をしていると思える。一体感を楽しめるのだと思う。

ロックのビートは本能をくすぐる? 多分、ロックを楽しんでいる人たちは、音楽理論とか音楽ジャンルのヒエラルキーとかそういうことをあまり考えず、感じるままにまかせているのではと改めて思いました。バスドラムの刻む、ドンドンドンドンという低い響きが体を動かすように誘い出す感じ。皆音楽に反応して思い思いにリズムをとる。周りのわくわく感がいっぱい伝わってきました。クラシックのように、じっくり静かに聴くというのも音楽の楽しみ方だと思うけど、自由に感じて体を動かして一緒に口ずさんでという楽しみ方ってより自然な感じがします。野外だからね、余計に開放的になるのだと思う。

そして、音楽関係ないけどゆるキャラ(笑)。めっちゃ踊ってましたけど(笑)。これが今回一番インパクトあったかも(笑)。私はもともと興味なかったのですが、お祭りではかなり威力を発揮するのではとちょっと見方が変わった。もちろん、子どもたちは大好き。でも、大人も皆握手したり触ったり喜んでる。なんやろう、いきなり目の前に現れると、その違和感に脱力してしまう(笑)。なにこれ、一体。有無を言わせぬ存在感。皆を笑顔にしてしまう。大人が動揺するなんてナンセンスだ!と思いたい自分がいる一方、なんとなく見えない力に誘われるようにスマホを向けて撮影(笑)。人物はあまり写さない方がいいかと気を遣うけどゆるキャラは気兼ねなく撮れる。撮ってくださーいって感じやし(笑)。ゆるキャラ好きな日本人って謎だと思っていましたが、何か必然性があるのかも? 癒しとか? 現実逃避とか??

屋台の食べ物も、地元の食材を使ったものを含めこだわったものが多く(このフェスで店を出すためのコンペもある)、このフェスの特徴の一つでもあるようです。結局人気店には行列ができていたので、買いやすいものを買いました。近所の人が散歩がてらにやってきて、食べたいものを買って、その辺に座って食べるだけでもありのフェスですね(笑)。

ちょっとだけネガティブなことを言うと、ミニステージ(バンドの方)のエリア内はかなりのボリュームで耳はもちろん、胸にもバンバン響いて苦しいほどで私は長くはいられませんでした(音には物理的な圧力があることを体感できました)。慣れてないせいかもしれないけど(慣れるとわからなくなる?でも耳大丈夫?)。有料エリアではどの程度だろう? 周りへの影響もちょっと気になる。

色々ありましたけど、とにかく西川貴教さんはすごいなあ、改めて。歌手としても実力とオーラを兼ね備えているけど、10万人を超える人々を滋賀の草津に全国から呼び寄せ、町おこし的なフェスを実現している。ちなみに西川さんは滋賀の観光大使なんですね。私は初めて西川さんの生の声を無料エリアで聴きました(音が大きいから聞こえてくる)。バラエティなんかではおちゃらけてるけど、やはり歌ってる時はかっこいいな。

実は上の文章の大部分は、フェスに行った日か次の日に書いたものです。全体として楽しかったし、フェスのポジティブな面について書いていましたが、ネガティブに感じた部分もあったなあとどうしようかと思ってそのまま放置していました。でも、その時感じて書いたことは生々しく自分にとっても貴重だと思い、ネガティブな点も含め少し書き加え一つの記事として仕上げてみようと思いました。

感じたこと、考えたことはやはりその時でないとどんどん薄れていってしまうから、多分今思い出して書くとしたら違う文章になっていたかもしれない。今読んでみて、ああそうだったとその時の感じが蘇ってきた。だからなるべく文章は、まだ感覚が新鮮なうちに書き残しておくのがいいのだろうなと改めて思ったのでした。

無料エリアステージ 風神

無料エリアステージ 龍神( 西川貴教さんのゆるキャラ タボくん)

夫が「あっ、くまもん」と言ったゆるキャラ(ちゃうやん!)

急に現れたら、思考停止してしまう(笑)

曇ってて残念だったけど

まるで水彩画のような、美しい眺め

日没。吸い寄せられるように