子育て講座を終えて

今日は、聚楽保育所とじゅらく児童館共催の子育て講座で講師をしました。毎月の「ピアノに合わせてあそぼう」とは別に年に一度やらせていただいています。今回は15組の親子が参加してくださいました。毎月のイベントはほぼ音楽ばかりですが、こちらのイベントは「お話」もします。これまでは子どもと音楽に関する話が多かったのですが、今回は「赤ちゃんのこころってどんな感じ??」というタイトルで、赤ちゃんの心の成長について少しお話をしました。

参考文献は『赤ちゃんの心はどのように育つのか』(今福理博著/ミネルヴァ書房)を使いました。それをもとに作成した資料より一部抜粋して要約します(引用を含みます)。

☆感情の発達

・誕生したて→興奮のみ

・3ヶ月ごろにかけて、快と不快に分化。相手の笑顔をごぼうびとして感じられるようになる

・3ヶ月以降から喜びや怒りなどの基本感情に分かれていく

・1歳頃、養育者に安全であるかどうかを表情より読み取り安心する

・18ヶ月 照れ、恥、罪悪感、誇りなど比較的複雑な感情がめばえる

 

☆共感する心

・情動的共感

泣きの伝染(新生児期~)

表情伝染(4~5ヶ月~) 養育者とのコミュニケーションを通じて発達

・認知的共感

15ヶ月くらいでみられるよう。話せなくても相手の心的状態を理解している

 

☆人の利他性(人のために何ができるか考えること)

・絵本の読み聞かせの際、登場人物の感情を考えてみるよう促す(こう感じていると決めつけるのではなく)ことが共感力の発達につながる。

・他者と動きを合わせる、相手から真似をされる→人を助ける行動につながる。

・表情やしぐさを真似する相手にポジティブな感情を抱く

 

ざっとですが、こういった資料をもとにお話ししました(月齢については個人差もあるだろうし、あまり気にせずと付け加えました)。今回特にお伝えしたかったのが、

・赤ちゃんの心の成長がおそらく一般的に大人が考えているよりも早く始まっている。

・反応がよくわからなくても、話せなくても色々なことを感じていて、心は育っていっているから、コミュニケーションが成立していないようでも、やればやるほど伝わっている。

・共感する力も早くから育ち始める。これを伸ばすには養育者の接し方が重要。

などですが、つまり、今一何を感じていて考えているのかわからない乳幼児も、コミュニケーションを仕掛けた分、ちゃんとそれが成長に役立っているから、やりがいありますよってことです。保護者の方々も、情報に接したり考えたりされていると思いますが、なかなか育児に追われて余裕がないかもしれないから、もし少しでも参考になれば幸いと思ってお伝えしました。知っていれば楽になることもあると思います(私も自分の育児の時にこれらのことを知っておきたかった(;’∀’))。

お話の後は、いつものようにピアノ演奏と歌(みんなで一緒に)でした。

終了後書いていただいたアンケートを見ていると、ピアノが聴けてよかった、ピアノの音色がきれかった、ピアノで子どもが泣き止んだ、楽しそうだったとピアノに関するポジティブな感想が多くそれは何よりうれしいことなのですが、お話に関してはあまり具体的な感想はなく、どう受け止められたのかわかりません。

私としては、普段仕入れた子育てに役立ちそうな、少しでも楽になるような情報をお伝えしたいなあという思いがあり、こういう機会にお話しさせていただいていますが、それが求められているかはわかりません。でも、こうやってブログに書いて残しておけば、たまたま探している人が目にするということもあるかもしれないし、誰か興味をもってくださったらいいなあと思います。

とりあえず、今日のイベントについておおまかに書きました。

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