月別アーカイブ: 2018年12月

もともとリズムはなかった?

あと1時間ほどで2018年も終わろうとしていますが、今年最後のブログを書いてみようと思います。

先日、いるか喫茶バーである曲を演奏していた時のことです。その曲は、だいぶ前に作った曲ですが、途中で拍子が変わったり、所々にリタルダンドがあったり、拍子の変わった所ではテンポも変わったりという曲です。以前から自分の曲ながらテンポの調整が難しいなと思っていました。ところが、この間その曲を弾きながら、別に拍とか、テンポとかにとらわれず、小節線がないような感じで弾いてもいいんじゃないか、とふと思いました。誰かと合わせるのではなく、一人で弾いているのだし、自分の曲だし。

今、『憂鬱と官能を教えた学校』【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史(菊池成孔+大谷能生/河出書房新書)という本を読んでいて、この本には面白いことがたくさん書いてあるのですが、ちょうど拍子とかリズムの話が出てきています。その中に、カール・シュトゥンプの『音楽のはじめ』からの引用があります。

「本当に、一声的な言葉では、多声音楽や和声音楽におけるよりも、リズムの展開はずっと自由です」

「大勢が一緒に音楽をやって全く異なる旋律を声々に歌うときは、旋律が或る定まった、保持し易いリズムにうまく結びついていないと、混沌たる状態に陥ってしまうほかなくなるからです」

「それ故、多声音楽は容易に計量音楽に移り」

計量音楽とは近代の拍子、四分の四拍子とか四分の三拍子を指すということ。

また、カール・ウェルナーの『音楽史』からの文章も紹介されています。

「ゴシックやルネッサンスの芸術音楽には、今日のような拍子はまったく存在せず、音楽の時間的な経過はタクトゥスによって規則づけられていたにすぎない」

タクトゥスとはタクト(指揮棒)のことです。

ということで、いわゆる西洋クラシック音楽にはもともと拍子とかリズムはなかったのですね。音楽の基本要素はリズム、メロディ、ハーモニーと教わると思いますが、この本によりますと、近代的な拍子の概念が確立したのは、大バッハの時代、後期バロック期ということです。

たまたま、拍子やテンポにとらわれず弾いてみたいと思った時に、これを読んだので面白いなと思ったのです。

先日、ジャスピアノの先生にも、小節線がないような自由な弾き方をしたい曲がある反面、グルーヴを感じながら弾きたい曲もある、両方好きという話をしました。

グルーヴについては、この本の中に、

バッハの曲にはドラムなんて入ってないけど、むちゃくちゃグルーヴです。

というような話も出てきて、これもまた面白い。クラシックでグルーヴ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はずっと前から、バッハや、モーツァルト・ハイドンのアルベルティ・バスを弾いててグルーヴを感じることがあったんで、やっぱりな、と思いました。

グルーヴの話はまた書くかもしれません。

それでは、皆さま良いお年をお迎えください。

(*画像をクリックするとアマゾンにとびます)

新しいアルバム「good time」です

久々にスタジオで録音しました。秋頃に一度自分で録音してみたりしたことはブログにも書きましたが、やはり録音した音源を整えてネット上で聴きやすいものにするのは、難しいと思いました。YouTubeに自分で録音して仕上げた曲を2曲あげていますが(1曲はヴィオラとのデュオ)、やはりスタジオで録ったものとは仕上がりが違って、ストリーミングなどで他の音源とランダムで聞かれる場合、違和感あるんじゃないかなと思ったりして、スタジオ録音にすることにしました。生ピアノでも自宅で録ってきれいに仕上げられる人もいらっしゃいますが、機材も部屋も録音にはもひとつだし、知識もないし、時間もかかるし(無駄!)きっぱりとあきらめました(笑)。また、いつでも録れるというのが案外だめなんですね。ずるずると先延ばしにしてしまう。どの曲にしようかとか、もうちょっと曲を見直してみようとか。スタジオは予約したら絶対その日に録らなければならないから、覚悟できます。

今回は、9曲用意していきました。1日で録るにはぎりぎりかなという曲数です。予約は朝10時から夕方5時まで。エンジニアさんに仕上げていただく時間を残して4時くらいまでが録音に使える時間。集中力もこれくらいが限界かなと思っています。スタジオのピアノは家のピアノと違うので、まず多少弾いて感触を慣らさないといけないのですが、その後録音に入り、弾きながら気づくことがたくさん出てきます。それによって弾き方を変えてみたり、曲をちょっと直したり。それでいつも前半は時間に余裕があるように思うのですが、あっという間に時間は過ぎていってしまいます。そして、後半になるほど集中力が落ちてきて、ミスが増え始めます。なんで?というくらい。録りなおしの頻度が増し、それで、ちょこちょこ休憩をはさみます。そして時間がなくなっていきます(笑)。

エンジニアさんも、今回から違う人になり、改めて色々と相談したりして、そういう時間も必要になります。

9曲のうちの1曲は、右と左を重ねるように弾く部分がたくさんあって、ちょっと弾きにくい(音的に面白いかなと思ってわざわざそんな風にしたんですが)のですが、それが録音すると弾きにくさのせいで思った音が出てないことが少し気になり、曲自体をまた見直そうと今回はボツにしました。

早速、tunecoreからの配信手続きを行い、bandcampにもアップしました。Apple Music、Google play、kkbox、LINE MUSICなど順次反映されていっていますが、Spotifyなどまだのところもあるようです。

よかったら、お聴き下さい。bandcampは全曲無料で試聴していただけます。

 

bandcamp

再びジャズピアノ

今日はジャズピアノのレッスンでした。

昨年、一度別の先生でトライしましたが、普通のジャズピアノ教室は私の求めている所とはちょっと違うかなと思ってすぐにやめてしまいました。先生はいい先生でしたが。

先週初めて今回の先生にお会いする前に、メールで何度かやりとりをしましたが、前回と同じように、「オリジナルを作っていて、ジャズが弾きたいというわけではないんです」と先生を困らせるかもしれないようなことを言いました。もっと自分の表現の幅を広げたいというか、ジャンルにとらわれずに自由にやれればとか、そんなことを話しました。

それに対して先生は、とても好意的で理解のあるお返事をしてくださいました、別にジャズである必要はないし、自分の音楽の可能性を広げればいいと。それで再度トライしてみることにしました。最初お会いした時、先生のCDもくださいました。先生はバークリーを卒業後、長年アメリカで音楽の仕事(ピアノ・作曲)をされてきましたが、一つはブラジルで、一つはアメリカで録音されたものです。この二つはまるで違う雰囲気のアルバムで、先生もジャンルにこだわらず、幅広い表現をされていることがわかりました。どちらのアルバムもとても素敵で気に入りました。私の曲も弾いてと言われたので2曲聴いていただきました。とてもいいと思う、好きですよと言ってくださいました。ほめてくださる先生です。

今日は、「枯葉」やその他知らない曲をやりましたが、とても楽しいレッスンでした。横長のピアノ椅子に並んで座って弾いたり。どんどん挑戦することを勧めてくださる。個人の表現を尊重してくださる。私にはぴったりの先生かも(笑)。

レッスンの帰り道。今日の三条大橋からの眺め。雨がぱらついていましたが、青空。

 

クリスマス・ソング

12月10日はじゅらく児童館の「ピアノに合わせてあそぼう」、今日は朱六小学校の「きっずぱぁく」でクリスマスのイベントがありました。朱六のきっずぱぁくのクリスマス会は毎年多くの親子が来られますが、今年は34組(68名)とかなり多かったです。スタッフが私入れて8~9名ほどだったので、部屋はいっぱいでした。途中でサンタさんが登場するサプライズもあり、とてもにぎやかなクリスマス会になりました。小さな子たちのかわいい様子がたくさん見られました。

2日間でいつもの曲に加えクリスマスの曲をたくさん弾きました。毎年12月はそんな感じでやっています。今回弾いたクリスマスの曲は以下の通り(伴奏、メドレー、BGMなど)。

・あわてんぼうのサンタクロース

・赤鼻のトナカイ

・ジングルベル

・星の世界

・聖者の行進

・サンタが町にやってくる

・ひいらぎかざろう

・もろびとこぞりて

・ホワイトクリスマス

・クリスマスおめでとう(We Wish You A Merry Christmas)

・きよしこの夜

・アメイジング グレイス

・きらきら星(これはクリスマスじゃないか?)

聖者の行進以外は、自分が編曲したものです。今年はメドレーに一曲短いのを追加しただけですが、毎年ちょっとずつ触ったりしています。

今日、あるお母さんにオリジナルのクリスマスソングはないんですか?と聞かれました。そういうのは作っていませんが、作ってもいいかな。でも多分、自分の曲をこれはクリスマスの曲ですと言っても、知らない曲ではクリスマス気分にはならないやろうなと思います。伝統的な曲でなくても、山下達郎、マライヤキャリー、ワムの曲など毎年クリスマスシーズンにお店などでかかっているから、ああクリスマスかーと条件反射的に思うようになっているんですよね。

クリスマスの曲は楽しい曲、きれいな曲が多いですね。今月はもう一回、いるか喫茶バーでもクリスマスの曲を弾く予定です。