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メンデルスゾーンの本

メンデルスゾーンの無言歌集に好きな曲が何曲かあり、今は3曲練習もしています。メンデルスゾーンについて書かれた本を前から探していますがあまり種類がありません。音楽之友社が出している「作曲家・人と作品シリーズ」にも今のところありません(出るのを期待しています)。図書館で検索してもあまりなく、とりあえず『メンデルスゾーンの音符たち』(音楽之友社)という本を借りてみました。

この「音符たち」シリーズがあるのは前から知っていましたが、2年に渡って『音楽の友』誌で連載されていて書籍化されたものです。メンデルスゾーンでこのシリーズは終了したということです。

これまで色々な作曲家の本を読んでいますが、伝記的なものが多く、彼らがどのように音楽に向き合っていたのか、どんな人生を送ったのか、人として興味があります。
『メンデルスゾーンの音符たち』は作品ごとの解説のような本です。ですから、メンデルスゾーンがどのような人だったのか、あまりわからないようです。とりあえず無言歌集のところを読みましたが残念ながら7ページだけです。取り上げられている作品はごく一部。ページ数などの制約もあったように書かれています。

まず「はじめに」では著者の池辺晋一郎さんはメンデルスゾーンを絶賛しています。

メンデルスゾーンはまちがいなく、音楽史上屈指の天才だ。しかも、極めて正統的な天才である。和声法、対位法、フーガや管弦楽法……エクリチュール(書法)に関する技術の高さはバッハに比肩できると言って過言でない。

その割には、他のメジャーな作曲家に比べるとそれほどその作品を知られていないと思います。派手さがないから?? 正統すぎるから??

7ページと少ない中にも、興味深いことが書かれています。

この曲集は6曲ずつの8巻で合計48曲。最初の巻から最後の巻(死後刊)までは20年以上の期間があります。全部で48曲ということはバッハの平均律クラヴィーア曲集のようにすべての調性で作られているのかと言えば、そうではない。それどころか、♯、♭は4つまでの調でおさえられている。
少し驚いたのは、この48曲中メンデルスゾーン自らがタイトルをつけたのは5曲のみだったということ。それは、3曲の『ヴェニスの舟歌』(Op19-6, 30-6, 62-5)、『デュエット』(Op38-6)、『民謡』(Op53-5)ということです。おそらく無言歌集の中で一番有名な『春の歌』も別の人がつけたのですね。

この本で取り上げられた無言歌は3曲の『ヴェニスの舟歌』と、『春の歌』(Op62-6)、『紡ぎ歌』(Op67-4)です。たまたま今弾いている舟歌が入っているというのは運がいい!
解説を読んで曲の中に仕掛けられた伏線のようなものに気づかされました。

無言歌集の曲を特に弾きたくなったのはわりと最近ですが、以前読んだ本で無言歌について言及されていたことがずっと印象に残っています。
その本は、『ある「完全な音楽家」の肖像』(―マダム・ピュイグ=ロジェが日本に遺したもの)です。2011年、その頃書いていたブログでアンリエット・ピュイグ=ロジェの言葉を紹介しています。

「全体に、ことさら難しいものを求め、やさしいものを馬鹿にする傾向があるのではないでしょうか。技術的に難しい曲が、かならずしも音楽的にすぐれたものとはかぎらないのですが……。たとえば、ピアノ曲のレパートリーの中でもとくに難しい作品を弾きこなす学生が、メンデルスゾーンの《無言歌》やフォーレの作品など、技術は中程度の難しさで、自身の人間性を最も発揮しなければならない曲になると、どう弾いていいか困ってしまう。全体にアクロバティックなパフォーマンスが重視される傾向にあるのは、悲しむべきことで、胸が痛みます」

なるほど、無言歌はそういう難しさがあるのだと当時改めて思いました。豊かな表現力を求められるような曲は若いころよりも年を重ねた方がより深みがでそうです。
無言歌集の曲はポリフォニックな曲が多く、声部を弾き分ける難しさというのもあります。メンデルスゾーンはバッハのマタイ受難曲を世の中に知らしめた人です。やはりバッハに強く影響を受けている作曲家の一人ではないでしょうか。

途中から無言歌の話ばかりになりました。
また別のメンデルスゾーンの面白そうな本を見つけたら読んでみたいです。

ノラ・ジョーンズのライブ

17日、大阪城ホールで行われたノラ・ジョーンズのライブに行ってきたので、メモ程度に書いておこうと思います。

ノラ・ジョーンズは以前から夫がたまに聴いており、私もそれを耳にしたりたまに自分でも聴いてみたりという感じでした。夏前、ノラ・ジョーンズの来日が分かった時、夫が行かない?というので行くことにしました。

大阪城ホールへ行くのは何十年かぶり。あいまいな記憶ではホイットニー・ヒューストンのコンサートへ行ったのが最後ではないかな。

さて、コンサートではノラ・ジョーンズの存在感、オーラを強く感じました。彼女の音楽、雰囲気のある独特の歌声、歌い方が作り出す独自の世界を間近で見ることができました。

声を出さないようにという会場側の要望で、観客は演奏や舞台からの呼びかけに対し拍手で答えるような形でしたが、最後の方で「ノラ!」と声をかける人が出てくると、ノラ・ジョーンズは待ってましたとばかりに応えていました。その後、ちらほらと声が出て、ファンが熱い思いをこらえきれないのが伝わってくるようでした。

ノラ・ジョーンズの代表作、「ドント・ノー・ホワイ」(Don’t Know Why)」がアンコールで歌われた時が、やはり最も盛り上がったように思います、多分。
私もこれまでこの曲をよく耳にしていて、まだかな?という気持ちで待っていました。
何度も聞いたことがある曲を初めて生で聴くのですから、それは期待しますよ(笑)。
アレンジも素敵でしたし満たされた気持ちでライブの終わりを迎えました。同じような気持ちの人、多かったのではないでしょうか??

アンサンブル演奏

昨日は、京都市改進第一福祉センターふれあいサロンで行われた「親子であそぶ!ふれあいサロン OPEN DAY」というイベントで演奏してきました。誘ってくださったのはアンサンブルサウンドドレスさんです。今回のイベントは未就学児とその家族が対象で、私が児童館で弾いているので、ぜひお願いしたいと言われました。

1ヶ月ほど前に選曲をして、それから今回の編成(ヴァイオリン、歌またはフルート、チェロ、ピアノ)に合わせた編曲をしました。

施設の人の話では、もともと高齢者向けのサービスをメインにしていたけれど今後もっと子ども向けにもやっていきたい、その宣伝も兼ねたイベントであるということでした。
数えていませんが20組以上の家族(50~60人くらい?)はいらっしゃったように見えました。土曜というのもあってかお父さん、お母さん、子どもたちと家族そろってこられている方たちも。

合わせ練習は本番前のリハーサルのみで、その場でいくつか変更も加えました。曲はいつも児童館でやっているような曲ばかりですが、合奏は迫力ありました。やはり弦楽器など生で聴く機会は少ないと思いますし、皆さん興味を持って聴いていらっしゃたと思います。

アンサンブルサウンドドレスさんが子ども向けの小さなヴァイオリン(ウクレレより小さい?)を持ってこられていたのですが、大人気でした。私も弾いてみました(笑)。子ども用というのもあるけれど、なかなかまともな音は出ないんですね。

皆さんスタンプラリーなども含めイベントを楽しんでいらっしゃったようです。


Facebook Music とは?

私は自分の曲をTuneCoreという音楽配信代行サービスの会社を通して、Apple MusicやSpotify等、50以上の音楽配信サイトからダウンロード販売及びストリーミング配信しています(TuneCoreのアーティストページはこちらです)。毎月、TuneCoreのレポートで自分の音楽がどれくらい聴かれたか、集計した結果が見られます。各ストアのダウンロード・ストリーミング配信レポートとは別枠でBGMとして使われた実績がわかる「TikTok」「YouTube収益化」「Facebook Music」などがあります。この中でFacebook Musicというのが何なのか、あまりわかっていませんでした。

9月末のレポートを見ると、Facebook Musicでの再生数が26万を超えていました(262,012回)。これまで見たこともない桁違いの数字です。そのほとんどが今年出したアルバム「MESSAGE FOR YOU」に収録している「思い出ばなし(Good Old Story)」です(261,982回)。なぜこの曲がバズったのか? さすがに気になり過ぎてFacebook Musicが何なのか改めて調べてみました。

検索するとTuneCoreのサイト内の説明が出てきました。

「Facebook Musicプロダクト」とは、Facebookが運営するアプリ/サービスである。Facebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)などに、楽曲を登録することが可能となるサービスです。登録されたあなたの楽曲は、世界中のFacebookやInstagramのユーザーが音楽スタンプ、独自の動画、プロフィール、Oculus Roomsにて「使用」することが可能になり、大きなプロモーション効果が期待できます。

詳細レポートを見ると、再生されている国は100か国! そのうちトルコで24万回以上再生されています。レポートを見ても、音楽スタンプ、独自の動画、プロフィール、Oculus Roomsのどれに使われているのかわかりません。またいくつのコンテンツに対して使われたのかもわかりません。バズったのはインスタではないというのはわかりました。

ずらーっと並んだ国の名前を見ていて、Facebookのすそ野の広さを実感しました。確かにプロモーション効果はあるかもしれません。

TikTokの場合は、どんな動画に使われたのか確かめることができますが、FacebookもInstagramもやっていないので、確かめられるのかどうかもわかりません。

それでも、このレポートを見てちょっとモチベーション上がりました。単純です(笑)。世界の国々の知らない多くの人たちの耳に自分の音楽が届いていると考えるとワクワクします。とても不思議な気持ちになります。
ストリーミングも海外で聴かれていますが、今のところ日本の方がはるかに多いです。

次のアルバムを出せるのはいつになるのか、全く未定ですが、やはりまた曲を作っていきたい気持ちです。単純です(笑)。