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エモーショナルは苦手?好き?

以前、ある人を介してオランダで建築の仕事や研究をしている青年が夫に会いに訪ねてきました。その時に、私がピアノを弾いていることを知っててオランダ人ピアニストのCDをプレゼントしてくれました。ピアニストの名はユップ・ベヴィンといい、その時初めて知りました。ジャンルでいうならポスト・クラシカルでしょうか。穏やかめの曲調です。後で調べたらヨーロッパではかなり人気があるということです。

そしてその後、たまたま一緒に食事をした人がユップ・ベヴィンが好きと言ってました。理由はエモーショナル過ぎないということ。

エモーショナルな音楽というのは、どっちかというと感傷的なムードで、心がなかば強引に持っていかれるというか、自分の意志とは関係なく心が動かされるものだと思います。

エモーショナルでない音楽というのは、それほど心を乱されないもの。BGMでかけていてもあまり気にかからない、でもなんとなく心地いいような音楽って感じでしょうかね。

人がどんな音楽が好きなのか、ほとんど無意識にリサーチしてしまいますね(笑)。

先日の「ピアノに合わせてあそぼう」では、オネスティをアレンジしたのを弾きましたが、弾き終わったら児童館の先生が、感嘆の声をあげられました(笑)。この曲はめちゃエモーショナルですね。

エモーショナルな曲が苦手な人、好きな人、色々です。弾く方としては、どっちにせよ喜んでいただける方がうれしいです。

Solipsism/Joep Beving(ユップ・ベヴィン)

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感じ方は心の領域

たまに、以前書いたブログをチェックすることがあります。この頃はこんなこと考えてたな、こんなこともあったなと思ったりしますが、時々、はあ、そうやったんやと、紹介していた本の内容に感動したりもします(笑)。

たまたま3年ほど前の記事「音と心理の関係」を読んで、改めて、その時興味深く感じたことについて思い出しました。その記事には、『絶対音感神話』(宮崎謙一著/DOJIN SENSHO)からの引用を載せていますが、そこから改めて短く引用します。

「音の聞こえの感覚は、物理的な音が、耳から脳に至るまでの聴覚系で分析・処理されることによってつくり出される主観的経験である」

「音の聞こえの性質を知るには、実際に音を人に聞いてもらう聴覚実験を中心とした心理学的研究を行うしかない」

つまり、耳まで届いた振動は、そこから先はその人その人の主観的な感覚であり、皆違うということですね。人が持ってる感覚とか感性とか経験とかが影響して「感じ方」が違ってくるということですね、おそらく。

「言葉」も受け手の感じ方、考え方によって、発した側の意図とは違う風に受け取られることはたびたびあると思うし、これも人の心理が大いに関係していると思います。それ自体意味を持たない「音」の聞こえもそうなのかあ、なるほどなあと改めて思いました。