2月22日、たまたまXで動物言語学者の鈴木俊貴さんという方の投稿を見かけました。
ヤマガラの鳴き声が二―二―二―だから、2月22日はヤマガラの日で、二―二―二―は集まれという意味であり、その鳴き方で緊急性を使い分けているという内容の投稿です。
それを見て、『脳科学と芸術』(小泉英明編著/工作舎)の中に小鳥の歌について書かれていた章があったことを思い出しました。久々に本を開き確認すると、それは著者の一人、岡ノ谷一夫さん(神経行動学がご専門)が書かれている「小鳥の歌に見られる美の進化」でした。
久々に読み返してみて、当時も面白く感じながら読んでいたことを思い出しました。特に気になっていたことろは赤線も引いてあります。
鳥でも歌う鳥とそうでない鳥がいますが、歌う鳥の音感っていいそうですね。歌というのは複数の音によるもので、単音節の「地鳴き」とは違うということです。
人と違って鳥の歌は縄張りのためだったり求愛のためだったり、生きる上で重要なことで、目的によって歌の種類も変わるそう。
小鳥が学習によって歌を覚えるというのも意外だったことです。人の子どもと同じように大人の発声を聴き学習していく。
実は、冒頭の鈴木さんのXの投稿を引用し、私がこの「小鳥の歌に見られる美の進化」の内容を思い出したことを投稿したのに対し、著者の岡ノ谷一夫さんが返信をくださいました(ちょっとびっくり)。
この本ではシジュウカラとジュウシマツとの対比もまじえ書かれていますが、岡ノ谷さんはジュウシマツの研究者だそうです。
『脳科学と芸術』は31人の著者によって書かれていて、一人当たりのページ数も限られていますが、岡ノ谷さんは『さえずり言語起源論』というご著書を紹介してくださいました。副題が「小鳥の歌からヒトの言葉へ」で、ちょっと好奇心そそられます。
言葉の始まりは歌だった、といえば、ずいぶん前にネアンデルタール人が歌でコミュニケーションをとっていたというようなことを何かの本で読んだ記憶があります。
鈴木俊貴さんも小鳥の言葉の研究者で、『僕には鳥の言葉がわかる』 (小学館)という本も出されています。レビューを見ているとなかなか面白そうです。
鈴木さんはシジュウカラの言葉について書かれているそうです。
小鳥と一口に言っても、野生のシジュウカラとペットのジュウシマツではかなり置かれている環境が違うから、その生態や歌も違うのでしょうね。
読みたい本は増える一方ですが、なかなか読む時間はとれません。音楽に関する本、そうでない本様々ですが、音楽というキーワードだけでも色々繋がっていると感じることがあり、その広がりが面白いし、好奇心がそそられます。
最近読み終えた本は『言語の本質』(今井むつみ・秋田喜美著/中公新書)で、読もうと思った動機はオノマトペへの興味(特に乳幼児の言語習得過程での役割)でしたが、オノマトペも音楽的だと絵本の読み聞かせをしながら実感しています。音楽的な言葉は子どもがまねしやすい。音楽から言葉へ、コミュニケーションへといざなう。
さて、春になればまた、ウォーキングも楽しくなりますが、以前よりも意識して小鳥の声を聴いてみようと思います。
おまけ
『言語の本質』を読むのに1か月くらいかかっているんですが(毎日ちょっとずつで)、読んでいる最中から、もっともっと音楽の勉強をしようという新たな目標も生まれ、そういった気持ちとバランスをとりながら読んでいました。年齢が上がってくると、ますます時間に限りのあることを意識します。やるべきこと、やりたいこと、優先順位を考えるのは難しいものですね!