月別アーカイブ: 2024年6月

保育士実技試験終わりました

今日は保育士実技試験でした。

実技は造形、音楽、言語から選びますが、私は音楽と言語を選びました。

午前に言語、午後に音楽の試験でした。それぞれ3分くらいなのですが、順番に受けるので滞在時間は6時間以上になりました。

言語の試験は何も見ず話す素話(すばなし)ですが、「おむすびころりん」を選びました。
決まった台本があるわけではなく、試験向けに売られている台本(公式ではない)を買うか、絵本などを見てアレンジをするか、自由です。どんな台本がいいのかわからないので、試験向けに売られているのをネットで買いました。でも結局、自分が自然に話しやすいように色々といじって変えました。それを元に3分で話せるように何度も時間を計って練習をしました。少々間違えても、アドリブで乗り切れるだろうと思っていました。練習中に、たまに何度もでてくる「おむすび」を「おにぎり」と言ってしまうことがあり、これは気をつけねばと思ってました。

ところが、今日本番、「おじいさん、おいしいおむすびをありがとう、お礼におもちをごちそうします」と言うところを「おじいさん、おいしいおもちをありがとう、お礼におもちをごちそうします」と言ってしまいました!
落ち着いて話しているつもりでも、無意識に気持ちが先にいって、「おもち」が出てしまったのかもしれません。言った直後に気づきましたが、何事もなかったかのように先にすすめました。後から、実際の現場ではそういう場合言い直す方がいいのかなと思いましたが、もう遅い。

音楽は、弾き歌いです。課題曲は「夕焼け小焼け」と「いるかはザンブラコ」でした。
ピアノ伴奏はどれくらいの編曲がOKなのかわからないので、市販の楽譜(編曲も様々な中から選んで)をネットで買って確かめて、それからそれを元に自分好みに変えました。移調もしました(もちろん下に)。歌はYouTubeのボイストレーニングで発声の練習も何度かしました。
せっかく歌いやすいキーに移調していましたが、本番では普段より声が出にくく、あーあ、でした。

言語も音楽も、どれくらい減点されるだろう? ちょっと浮かない気分で帰りました。
ギリギリでいいので合格したい。また受験となるとやる気をだすのは大変。まあ、終わったことはどうしようもないので、発表まで忘れるようにします。

歌う子ども

何か月か前、「おうまのおやこ」と「チューリップ」の歌詞が書かれた小さな絵本を買って、それをこれまで何度か孫のNちゃんと一緒に見ながら歌ってあげていました。

昨日、Nちゃんはとうとうその絵本を開きながら体でリズムをとって謎の発音で歌いだしました(本は持ったままで見ずに歌っている)。なんとなく「おうまのおやこは」というメロディにも聞こえます。違うページを開いては、また歌う。それを何度か繰り返していました。なぜか少し難しい顔をして(笑)。

これまでも、何度か遊びながら鼻歌のような歌を歌っていたことはありますが、この小さな絵本が歌の絵本であることは理解していたようです。

Nちゃんは1歳5か月を過ぎましたが、大人の話す言葉を聞いて少しずつ理解していくように、音楽表現も聴いて理解していっているようですね。こちらは歌ってあげているだけですが、体でリズムをとることは歌とセットになっているようです。一音が一拍のような区切り方。

これまでもおもちゃから出る音楽などに合わせて体でリズムをとることはありました。子どもの持つリズム感も興味深いことです(以前イベントでリズムについてとりあげたこともあります「子育て講演会〈リズムを感じよう、リズムであそぼう〉」)。

この辺りまで書いて、参考文献にしている『フリッツ・イェ―デの音楽教育ー「生」と音楽の結びつくところ』(小山英恵著/京都大学学術出版会)に書かれていることを思い出しました。

子どもは、喜びの気持ちを歌にする

子どもの歌には、両親や兄弟と共に歌う喜びや安心感がそのままあらわれる

子どもの歌は、幸せな「生」の表現としての創造活動であるとイェーデは捉えている

P44

子ども自身は無自覚でも、愛されている、守られているという安心感の中で、自然と音楽表現が生まれてくるように思えます。

これまでの音楽イベントでも何度か、子どもと音楽の関係について話をさせていただいていますが、音楽が子どもの幸せな成長に役立つなら何よりだと思っています。

ピアノに合わせてあそぼう(2024.6.10)

今日はじゅらく児童館の「ピアノに合わせてあそぼう」の日でした。
今日参加してくれた子たちの月齢は3か月から1歳8か月まで。
自己紹介のテーマは「お気に入りのおもちゃ」。
6月なので梅雨をイメージする曲を何曲かやりました。

今日の曲目

・おはようのうた

・かえるのうた
・かたつむり
・あめふり

(手あそび)
・幸せなら手をたたこう
・とんとんとんとんひげじいさん
・パンダうさぎコアラ

・あめふりくまのこ

(リズムあそび)
・おんまはみんな
・山の音楽家

(演奏)
・モーツァルト・ピアノソナタK.330 第2楽章
・きらきら星(編曲:今村陽子)

イベント後は子どもたちはおもちゃで遊びます。その間、担当の職員さんと次回の打ち合わせをしますが、今回は前回2か月分やったので打ち合わせがなく、子どもたちを遊ばせながらお母さんたちとゆっくり話せました。お母さんたちとの情報交換は興味深いし、今後はもう少しそういう時間を増やしたいなと思いました。


「赤ちゃんとピアノコンサート」を終えて

今日は左京区の養生保育所で「赤ちゃんとピアノコンサート」というイベントをやらせていただきました。保育所の子向けではなく、地域の子育て親子向けのイベントです。こちらでやらせていただくのは今回で3回目です。
13組の親子が参加してくださって、部屋は結構いっぱいでした。2か月の赤ちゃんから2歳半のお子さんまで色々な月齢の子たちが集まりました。

プログラムはお話と歌(手遊び・ふれあい遊び)とコンサートです。

お話は「子育てに音楽を」というタイトルでやらせていただきました。以前のイベントの時の内容と同じ部分がありますが、赤ちゃんと音楽をテーマにしたお話で大事だと思うことは一緒なので、そうなります。毎回、参考文献も載せた資料もお渡ししています。

マザリーズ、赤ちゃんが好む歌の傾向、歌いかけによる影響、歌と言葉との関連などに加え、愛着形成についても少しお話しました。

歌は次の曲目をやりました(手遊びは担当の保育士さんが手伝ってくださいました)。

・かえるのうた(輪唱)
(以下手遊びとふれあい遊び)
・かたつむり
・あたまかたひざぽん
・むすんでひらいて
・おおきなたいこ
・てをたたきましょう
・いっぽんばしこちょこちょ
・ポップコーン

演奏の曲目は次のとおり
・歌の翼にのせて(メンデルスゾーン)
・ハイドン・ピアノソナタHob.XVⅠ:35 第2楽章
・オーバー・ザ・レインボー(編曲:今村陽子)
・モーツァルト・ピアノソナタK.330 第2楽章
・きらきら星(編曲:今村陽子)

参加してもらえる手遊び・ふれあい遊びと、聴いていただく演奏の時間配分はいつも悩ましいのですが、両方にご要望があるようなので大体同じ割合にしました。手遊び・ふれあい遊びはやはり結構盛り上がりました。演奏でもリズム取っている子もいたり、知っている曲は歌ってくださったりで、少し参加していただけました。

イベント終了後、1歳半の子がピアノの所に来て鍵盤を鳴らしていました。そして、うれしそうに横にいた私の顔を見上げます。何度かそれを繰り返した後、椅子に座りたそうにしていたのでご両親が座らせると、また鍵盤を鳴らし始めました。それで、おうちでも触っているんですか?と聞くと、ピアノはないし触っていないということです。この子は私が今日弾いているのを見て、同じようにしたかったのではないかと思いました。本当にうれしそうにしていて、かわいかった。

最後にアンケートで感想などを書いていただきますが、これを見るのが楽しみであり、また参考になります(イベント後に何人かのお母さんと話して直接感想も聞いていますが)。

ピアノが聴けて良かったという感想も多かったですが、お子さんがピアノの音を聴いて嬉しそうにしていた、楽しそうにしていたという感想もいくつかあって何よりうれしいです。2か月の赤ちゃんのお母さんが「歌の翼にのせて」がお気に入りだったと言われ少し驚きました。こんなに小さいのに何か感じてくれた? お母さんたちから見て、感じられたお子さんたちの様子は興味深いです。

担当の保育士さんも、お母さんたちと音楽遊びをしているお子さんたちがとてもうれしそうだったと喜んでくださいました(やはりふれあい遊びが一番うれしそうな感じがしました)。

みなさまの感想や、私が感じたことなどをまた次の機会に生かしていきたいです。

保育士試験筆記試験合格しました!

今日の午前10時からネット上で保育士試験筆記試験の合格発表がありました。
10時すぐにはなかなかログインできず、待っている間心臓がドキドキして、早くしてーという感じでした(笑)。
「合格」という文字を見た瞬間、やったーと歓声をあげてしまいました(笑)。
解答速報では合格してそうだとわかっていましたが、やはり正式にわかるまではちょっと心配でした。
さて、今月末に二次試験ですから、弾き歌いとお話の練習をしなければ。少しは始めていましたが、特に発声とお話を覚えるというのがこれからの課題です。二次試験の合格率は高いようですが、だからといって油断はできないと思っています。

「令和6年前期保育士試験受けてきました」

愛着(アタッチメント)について

2年前に発達心理学を履修(京都橘大学)し勉強している時、「アタッチメント」(日本語訳が「愛着」)という言葉を知りました。そして、これだ!と思いました。
ずいぶん昔に、子どもは3歳くらいまでは母親と一緒にいた方がいいという記事をどこかで読み、それはそうだろうなと思っていました。でもその理由については、不安に感じるから、くらいしか記憶しておらず、改めて心理学的な面からアプローチしている「愛着理論」(ボウルビィによる)のことを知り、納得できたのです。

この時の教科書、『発達心理学』(本郷一夫編/遠見書房)によると、アタッチメントは日本語で「愛着」と訳されていますが、

広義には、「人が特定の他者との間に築く緊密な情緒的結びつき」とされるが、元来「危機的な状況に際して、あるいは潜在的な危機に備えて、特定の対象との近接を求め、またこれを維持しようとする個体の傾性」

P.120

だそうです。

そして、アタッチメント対象である大人(母親または養育者)が「安全基地」となり、それがイメージとなって心の中に拠り所となって存在するようになるということです。

「抱きつくー抱っこされる」「ほほえむ―話しかけられる」などの物理的に接近した近接行動から「安全基地」としての確信やイメージという表象的に内在化された近接の感覚へと徐々に移行していき、生涯を通じて存続していく。

P.122

ボウルビィの愛着理論(この言葉は直接使われていませんが)については、保育士試験の教科書(「保育士 完全合格テキスト 上 2023年版/翔泳社)により簡素にわかりやすく書かれていました。

ボウルビィは愛着の発達段階を以下のように区分しています。

第1段階(誕生から12週):人物を特定しない働きかけ

第2段階(6か月頃まで):差別的な社会的反応
特定の人物(特に母親など)に対して関心を示すようになる。

第3段階(2歳頃まで):真のアタッチメント形成
特定の人物に対しての愛着が強まり、逆に見知らぬ人に対しては警戒したり不安を感じるようになる段階です。特定の人物(特に母親など)をよりどころ、すなわち安全基地として外界に興味を持ち、一定の範囲で探索行動を行い、不安があれば安全基地に戻ってきます。

第4段階(2歳以降):目標修正的協調性
特定の人物(特に母親など)がいなくても、情緒的な安定を保てるようになる段階です。

P.220

また、「子どもの気持ちがわかる本 1~5歳」(イザベル・フィリオザ著/かんき出版)の中に、次のようなことが書かれています。
母親から離れる不安は3歳~3歳半ごろに減少する、2歳半くらいから子どもは親の「イメージ」を持つようになる。
この「イメージ」が安全基地ということでしょう。

また、幼い子が母親がいなくなるとストレスを感じる、不安になるのは哺乳類として自然な反応であると書かれています。

3歳くらいまでというのは、愛着を形成する大事な時期ということです。子育て中の方も、そうでない方も、小さな子どもの心の中でおこっていることを理解しておいた方がよいと思います(社会で子どもを守る、子育てを支えるという意味において)。

愛着形成については、6月5日の養生保育所でのイベントでも少しだけ触れます。