月別アーカイブ: 2020年7月

ピアノ、修理のため工房へ

今日はついにグランドピアノの修理のため、鍵盤を含むアクション部分を工房に持って行っていただきました。お世話になっているのは100までピアノライフさんです。

以前ブログにも書いた謎のノイズを取り除くため、調律師さんに何度か来ていただきましたが、結局部品の取り換えが必要という結論に至りました。

ノイズが出ているのはハンマーが持ち上がる時に間接のような部分にあたる「ドロップスクリュー」(ネットで調べたところによると)の辺りのようです。それを支えている「ハンマーシャンクフレンジ」という部分がカワイのピアノは樹脂なのですが、これを木に変えてもらう予定です。そしてローラーも摩耗しているから交換、ハンマーも少し柔らかめのものにと、ノイズの原因を取り除くついでにあれこれまとめてやってもらうことになりました。

大掛かりな交換となるので、1ヶ月ほどかかるということです。その間はアップライトの方を使うことになります。録音の再開はグランドピアノ修理後になります。

修理の過程をまた報告してくださるということで、楽しみにしています。

 

中原中也の春宵感懐(Poem and Piano)

Poem and Piano シリーズに中原中也の詩「春宵感懐(しゅんしょうかんかい)」の動画をアップしました。曲はアルバム「imaginary world (remastered version)」より「imaginary_world」です。写真は去年撮った桜です。

この詩は古い言葉も少なく、わりと分かりやすい方じゃないかなと思いました。タイトルがちょっととっつきにくい感じですが(笑)。

詩を読むと何を表現しているのだろうと考えます。わからないこともあるし、こうかな?と思うこともある。あれこれ、考える。考えるきっかけを与えてくれるものかなと思ったりします。「春宵感懐」も言葉自体は難解ではないけれど、何を言おうとしているのだろう、こうじゃないかなと何度も読み返して考えました。

英語の詩もそうですが、色々な詩を読んでいると、けっこう重いものも少なくないと感じます。どこにもその言葉を使っていないのに、強烈に何かを連想させられるものもあります。短くても底なしに深く感じることがあり、ちょっと怖かったり。気分が滅入りそうになるものも。Poem and Pianoでは、どっちかというと重すぎない(と私が感じる)ものを選んでいます。

だいぶ前になりますが、「イル・ポスティーノ」というイタリア映画を観ました。この時「詩」の意味について考え、一つの言葉から想像の世界が広がっていくことに気づいたりしました。細かいところは覚えていませんが、この映画では「詩」が人をポジティブな方向に導いてくれるものとして描かれていたような印象が残っています(あくまでぼんやり覚えている印象です)。私が詩に求めているのはこれかもしれません。

でも普段から詩をよく読むわけではなく、自分のYouTubeチャンネルでPoem and Pianoの動画を作り始めたのをきっかけに、たくさんの詩に触れることになりました。

今回の動画で、一旦「Poem and Piano」はストップすると思います。作った時はまたお知らせします。

 

The Road Not Taken (Poem and Piano)

Poem and Pianoシリーズにロバート・フロスト(Robert Lee Frost)の「The Road Not Taken」をアップしました。日本語では「選ばれざる道」とか「歩む者のない道」のように訳されています。

この詩は今回初めて知りましたが、アメリカでは有名な詩のようですね。訳も色々なサイトで紹介されています。簡単にまとめれば、ある時森を歩いていると二手に道が分かれている場所があり、迷った末、一つの道を選んだ。後でその時のことをしみじみと思い、もう一つの方を選んでいれば全然違っていただろうという気持ちが書かれたものです。誰もが人生の中で、選択を迫られること、その結果は後になってわかることを何度か経験するだろうから、共感が得やすい詩だろうなと思います。

曲はアルバム「imaginary world (remastered version)」から「encounter」です。写真は手元にある中から選んで少し加工しました。

よかったらお聴きください。

中原中也の詩(Poem and Piano)

Poem and Pianoシリーズで初めて日本語の詩を使いました。Poem and Pianoでは、今のところ著作権切れの古い詩と勝手にコラボしていますが(笑)、前も書きましたように、日本語の古い詩は言葉が古すぎて、コラボするにはちょっと違和感があるものが多いんですね。今回の中原中也の詩「湖上」も、「~でせう」とかたくさんでてきますが、なんかメルヘンチックな世界が表現されていて、その中でむしろチャーミングに感じられていいなと思いました。

自分の曲なので、他の人ほど客観的にはなれませんが、詩とイメージと音楽を合わせると、音楽だけ聴いているのとはまた違った感じがします。コラボ効果でしょうか。面白いです。画像は琵琶湖の写真をベースに加工しました。曲は最新アルバム「imaginary world (remastered version)」 より「morning view」です。

良かったらお聴きください。

ディキンソンの「The Grass so little has to do」

前回に引き続き、「Poem and Piano」にアメリカの詩人、エミリー・ディキンソンの「The Grass so little has to do(草はなすべきことがあんまりない)」を追加しました。

ディキンソンの詩は以前も取り上げましたが、この作品はなんかのどかな感じもあっていいなと思います。「対訳 ディキンソン詩集」(亀井俊介編/岩波文庫)の日本語訳を参考にしました。英語の方はPublic Domainで検索すると色々なサイトにアップされています。

曲は、アルバム「imaginary world (remastered version)」から「greenfield」です。

よかったらお聴きください。

Poem and Piano「水鳥に(To a Waterfowl)」

先日、久々に鴨川へ行きました。主な目的は、鳥の写真を撮るため。手元にもいくらかありますが、今回「水鳥に(To a Waterfowl)」という詩の動画(スライドショー)を作るにあたり、あまり雰囲気の合うのがなかったので、新たに撮ろうと思いました。

歩いたのは三条大橋から賀茂大橋まで。雨のために水位が上がり、流れも速かったせいか、段差の滝のところで待ち構えているサギとか少なかったですが、丸太町辺りでは鴨がたくさん集まっていたり、空を行き来する鳥などはいつもと同じような調子でした。

今回は特に飛んでいる鳥を撮りたかったのですが、けっこう難しい。早いんですよね、動きが。なので、こんなアングルでとか、こういう姿がいいとか言ってられなくて、カメラ(スマホですが)で捉えるのが精一杯(汗)。それでもなんとか雰囲気の伝わりそうなのが何枚か撮れました。

川沿いではいつものように人々が散歩したりジョギングしたり、座ってくつろいたり昼寝したり、スポーツしたり楽器を演奏したり、思い思いに過ごしています。人同士の距離も密にならず、特に今は心身を開放するのに貴重な場所ではないでしょうか。

「水鳥に(To a Waterfowl)」の作者は、アメリカの詩人、William Cullen Bryant(ウィリアム・カレン・ブライアント)です。「アメリカ名詞選」(亀井俊介・川本皓嗣編/岩波書店)によりますと、

1815年、21歳のブライアントは自分の生き方に迷いを抱き、「たいそうさびしくみじめな」気持ちで岡の道を歩いていた時、夕暮れの空に地平線へ向けて飛ぶ一羽の鳥を見て大きな感動を覚え、この詩を作ったという。広く愛誦され、日本でも若き日の内村鑑三、国木田独歩などは、人生に迷った時、この詩から励ましを得た。

ということです。とにかくポジティブな詩ですね。

また、英語のオリジナルの方はパブリックドメインですが、日本語訳はのせられないと思うので興味のある方は調べてみてください。今回、古い単語がわりと出てきていて、私も調べてみて面白かったです。例えば、「you(主格)」、「your(所有格)」、「you(目的格)」に相当する「thou」、「thy」、「thee」などです。

で、早速、動画を作りました。曲は「I’m relived ほっとして」 (アルバム「imaginary world (remastered version)」より)です。よかったらご視聴ください。

ワーズワースの詩(Poem and Piano)

久々に再生リスト「Poem and Piano」に動画を追加しました。今回の詩は、イギリスの詩人、ウィリアム・ワーズワース (1770-1850 ) の詩、「早春の賦/ Lines Written In Early Spring」です。ワーズワースは自然をこよなく愛した詩人ということですが、最近ますます環境問題が深刻になってきている中、人と自然の共生は重要なテーマですよね。こういった詩に触れると、人間は自然によって生かされているんだなあと改めて思います。

オリジナルの方は著作権は切れていますが、日本語訳の方はわからないので、今回参考にさせていただいたサイトにリンクをはっておきます。→English Poetry and Literature

日本の詩も使ってみたいのですが、著作権切れているような古い詩は言葉が古くて伝わりにくいものが多いように感じます。また合いそうなのが見つけられたら使うかもしれません。英語は色々な国の人も読めるからその方がいいのかなとも思ったりしていますが。

音楽は新しいアルバム「imaginary world (remastered version)」の中に入っている、「good timing」を使いました。写真選びはいつも苦労します(汗)。動画に使えるように気になるものがあれば撮るようにしていますが、いざ選ぶ時になると、なかなかこれというのが見つからなかったり。

よかったらご覧ください。