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「いまむら文庫」について

はっきりした期間は記憶があいまいなのですが、大体2000年くらいから2005年くらいの間に、夫と「いまむら文庫」というサイトでweb絵本を作っていました。私が物語を書き、夫が絵を描きました。
これもはっきりしたきっかけは覚えていないのですが、当時、自分の子育ての中で感じたり考えたりしたことから色々な物語が生まれてきました。

うちの娘が生後半年から6歳ごろまでは、夫の転勤で岡山にいました(当時は夫は会社勤めでした)。その間住んでいた賃貸マンションには多くの子育て世代の人たちがいて、子どもたちは毎日毎日、お互いの家を行き来したり、マンション前の駐車場で遊んでいました。その様子を見ながらとても微笑ましく思っていました。遊びの中で自主性や創造性や社会性や協調性など多くを学んでいる、よしよしと。その子どもたちの生き生きした様子も後の創作の源になりました。

いまむら文庫を始めたのは、岡山から関西(最初は大阪に)に戻ってきて何年かしてからです。うちの子は小学生でした。当時はまだインターネットのコンテンツはそれほど多くはなく、子ども向けのサイトも少なかった。そんな時代でした。
ホームページを作るのも最初はホームページビルダーなどを使っていました。その後ソフトを変えたりしながら更新を重ね続ける中で、一応画面は普通に見えてはいますが、サイトのソースを見ると余計なタグが大量にできていて信じられないくらいぐちゃぐちゃになっていて、気にはなるものの、ページ数も多いし直すには時間がかかるし何年も放置していました(たまーに多少の手直しはしていましたが)。
スマホの時代になりレスポンシブ(端末が変わってもそれに合わせた見え方になる)にしないと見にくいけどとりあえずそのままでした。

とうとう1年ほど前から、娘が隙間時間を使って「いまむら文庫」のサイトのリニューアル(新しいテンプレートを使って置き換える)を手伝ってくれて、このたびようやく完了しました。長らく引き下げていた「おはなし」(絵のない)からもいくつかアップしました。httpからhttpsにもしました!(改行などまだ多少おかしなところは見つけ次第直していきます)

子育てがあったからできた「いまむら文庫」だと思っていますが、その子が大人になってサイトのリニューアルを手伝ってくれたというのは感慨深いものがあります。

私自身もいまむら文庫のお話を書いていた頃からはずいぶんと変化していますが、今読み直しても、伝えようとしたことがよみがえってきます。子どもたちへの思い、心の機微、音楽の持つ可能性など。
今は当時よりももっと色々なことについて深く考えるようになっている反面、この頃のようには書けないような気がします(年齢による適性が変わったためか、子育てから離れたためか、わかりません)。でも時間があれば続編を書きたいと思うお話もあります。今のところ、予定はありませんが。

そういえば、以前、いまむら文庫のお話のBGMに私の曲を入れた動画をYouTubeにアップしていました。

興味のある方は、またのぞいてみてください。

「切り絵」(お話と音楽)

先日「月のひかり」というお話に音楽を合わせてYouTubeにアップしましたが、今度は「切り絵」というお話です。これも昔夫と作ったいまむら文庫の作品です。

このお話は、うちの子が小学1年生の終わりに、当時夫の転勤のため暮らしていた岡山から引っ越す際に感じたことにヒントを得ています。うちの子が生後6ヶ月から1年生の終わりごろまでの間住んでいた賃貸マンションには、たくさんの子どもたちがいて毎日毎日お互いの家や、マンションの敷地で遊んで楽しく過ごしていました。夫が会社を辞め引っ越すことになりましたが、まだ小さいから、友だちと離れても多分大丈夫だろうと思っていたんです。でも、引っ越しの前日、娘に泣かれてしまって、ああ、わかってるんだ、可哀そうなことをしてしまったと、たまらない気持ちになりました。

私たちがいた部屋には、引き続き岡山で一緒だった会社の後輩家族が引っ越して来ましたが、その人から、同じ階の一番仲良かった娘より一つ年下の男の子が毎日ピンポンをならしにくると聞き、その様子が目に浮かび泣けてきました。引っ越したことを忘れているのか、わかっているけど会いたがっているのか。仲良かった子どもたちを引き離してしまったことに胸が痛み、今でも思い出すと切なくなります。

「切り絵」の設定は、もう少しだけ大きな子たちですが、子どもの目線で「別れ」について書いたお話です。ずっと一緒にいると思っていた友だちがいなくなる。それがどういうことか、すぐにはわからない。子どもなりの心の変化を表現したいと思いました。ちなみに、思いっきり関西弁ですので(笑)。

曲はアルバム「imaginary world (remastered version)」より「めぐりあい/encounter」」です。

よかったらご視聴ください。

「月のひかり」(お話と音楽)

このブログにも何度か書いていますが、昔夫と「いまむら文庫」(話:私、絵:夫)というサイトで作品を作っては発表していました。主にうちの子が小学生から中学生くらいにかけての5年間くらいのことです(ホームページはほぼ放置ですが今もあります。長年経過する中でなぜかソースがぐちゃぐちゃになっていて直したいのですが、ページ数も多く手を入れる時間がなかなかとれません)。絵のないお話もいくつかありましたが、今は下げている状態です。その頃は今のように山のようにコンテンツがある時代ではなく、けっこう珍しがられました。英語版も作って海外のポータルサイトにも載せてもらったりしていました。

当時、子育てを経験して色々と感じたことがあり、かなり自然にお話が生まれてきました。その頃は言いたいことや大切に思ったことをストレートに書くよりもお話にする方がやりやすかった。その後は逆になりました。お話を書くのをやめてからは言いたいことを創作を通して表現する方が難しく感じるようになっていました(汗)。それは多分、考えることが昔と比べ複雑になっているからだと思っていましたが、それだからこそ最近はストレートに書く方が難しくも感じ始めています。実は世の中はっきりとは断言できないことが多いよなあと、書いているうちに頭の中が哲学してくる(笑)。なのでまた物語を書いてみたい気もします。

以前から、いまむら文庫の作品と音楽を合わせてみたらどうだろうかと思っていて、ようやくやってみました。「月のひかり」という作品です。このお話しは子育てというよりも、私自身が高校生の時に窓から入る月の光に魅せらていたことがヒントになっています。

曲は「blue moon」でアルバム「AGAIN」からです。よかったらご視聴ください。