月別アーカイブ: 2020年5月

録音進捗 その7(マイクについて)

最近、次に出すアルバムの曲を録音しています。ブログにも書いてきました通り、4月から5月の始めごろまで録音・編集の実験をしながら編曲ものを5曲、YouTubeにアップしてきました。そして、その後、たまたまフォローしているエンジニアの方のツイートを見て、マイクのことで気づいたことがあります。それは、マイクの「指向性」についてです。今年2月に買った新しい方のマイクは、指向性が何種類か選べるようになっていて、それは知っていたのですが、なんとなく、無指向性がいいと思っていてそれでずっと録っていました(もう一本の古い方のマイクは単一指向性でした)。一応指向性もいくつか試してみたのですが、最初の頃はその違いもあまりわからなかった。無指向性は部屋の音を全部拾うのです。部屋の響きが入るのが自然だと思っていたんですが、同時にその響きがきついことで悩まされてもいました(そのために布を垂らしたり、怪しげな実験をしたことはすでに書きました)。

エンジニアの方のツイートでは、家での録音は指向性のマイクがいいと書かれていて、それで、はっとしました。改めて検索してみるとやはりそのようです。それで、指向性を選び、広い角度から狭いのまでいくつかのパターンで録ってみると、無指向性とは全然違う音が録れて、わりとショックでした(笑)。最初の頃はわからなかった違いは今ではよくわかる(汗)。それでもアルバムに間に合って良かった。

「録音進捗 その6」で書いていた、お試しノイズ除去の依頼の際は無指向性で録っていた音源を渡していました。そして、その後ミックスのサンプルも作っていただきましたが、その際は単一指向性で録った音源を渡しました。やはり、音が全然違うと言われました。

ちなみに、今回ノイズ除去・ミックスのお試しをお願いしたのは、ハイブリッド・サウンドリフォームというところです。正直、エンジニアの方に依頼するのは、敷居が高い。その点、こちらは無料でサンプル作成と見積もりをしてくださり、その上で検討できるのでお願いしやすいと感じました。サンプルは2種類作ってくださいました。やっていただいた方がプロの仕上がりになりますが、5月末を目標に自分でやってみて、なんとか自力でやりとげたいです。でも、やはり不安なので、お願いする可能性もありますと伝えています。

生ピアノの録音についてはずっと調べていますが、やはりその場で鳴っている音をそのまま録音・再現することは技術的にとても難しいことで(録音により劣化・変化してしまう)、私のような機材もソフトも知識も貧弱であれば、できることは限られています。わかってはいますが、外注すればお金もかかるし、微妙なニュアンスを依頼するのは難しいというのもあります。

あと1週間ほどを目標にとりあえずトライし続けます!

真ん中が単一指向性。左端が無指向性。隣と組み合わせもできる。

 

ベートーヴェンの本

1日のうち、本を読む時間というのはほとんどないのですが(優先順位をつけるとそうなる)、最近また本を読みたい気分で、隙間時間を使って読んでいます。ながら読書です。主に夜、ドライヤーで髪を乾かしている時間などですが、手も耳も使えないけど目があいているので(笑)、パソコンで電子書籍です。そのあと、iPhoneでも読めるから続きをちょこっとストレッチしながらとか。

他に、最近またオーディオブックやYouTubeの朗読なども聞いています。これは台所で、手と目は料理に使うけど耳があいているから(笑)。特に台所に立つ時間は1日3時間以上はあるかな(片づけにも時間かかるしね)、長いので使わないともったいない。音楽を聴くこともあるけれど、ストリーミングの再生リストを流していると(いちいち手を止めて選んでられないので)、そのうち似たような曲、同じ曲ばかりかかってくるので、聴くのをやめてしまいます。おすすめ機能は気がきいているようで、微妙ですね。そしてまた本を求める。でもそれが続くとまた、活字から解き放たれ音楽で頭をほぐしたいと思ったりするのですが(笑)。台所でそれを繰り返している感じです。

最近読み始めた電子書籍は『ベートーヴェンの生涯』(平凡社)です。ロマン・ロランのが有名だと思うし、安かったし、それを買ったんですが、もう少しみてみると青木やよひさんという方の書かれた同じタイトルの本があり、レビューを見るとかなり高評価。これまでのベートーヴェンの伝記よりも、より細かく調べられていて信頼性が高い内容であるということで、サンプルを読んでみるとこちらの方が良さそうで、結局こちらも買ってそれを読んでいます。

ベートーヴェンについては、音楽家という側面以上に人として興味がありました。詳しくは知らないのですが、音楽(西洋クラシック音楽)を貴族や宗教ためのものから民衆のものへと変えたのが彼であるというようなことについて少し別の本で読んだ記憶があります。それってけっこうすごいことなんじゃないかなと思っていました。

ベートーヴェンの作品は、ピアノソナタを何曲か十代の頃レッスンで弾きましたが、それほど強い思い入れがあるわけでもなく、その後はソナタや他の小品などたまに弾くこともあるというくらいでした。今回はたまたま本を見つけたので、改めてベートーヴェンという人について知ろうと思いました。

他の音楽家の場合もそうですが、ベートーヴェンも生い立ちからすでに興味深い。興味そそられる点が多くて、とても紹介しきれませんが、最初の方はざーっくりこんな感じ。祖父の代から音楽家の家で、幼いころから父に厳しい音楽教育を受け(ほとんど虐待?)、父親よりも才能があり、家は父親が酒に溺れて家計が苦しく、母親が亡くなり、十代で兄弟や父親の面倒を見なければならなくなった(音楽で稼ぐ)という流れの中、それでもベートーヴェンは自分につらく当たってきた父親を受け入れ、大事にした。まずは彼の優しさ(人柄)に感動しました(大人だなぁ)。

即興演奏が得意な少年でしたが、10歳で初めて本格的に作曲を習います。最初の教材はバッハの『平均律クラヴィーア曲集』(いきなり!)。

1783年3月2日付の「マガツィーン・デア・ムジーク」で書かれた記事が、ベートーヴェンについての最初の報道記事で、その中で、11歳(実は12歳)のベートーヴェンが平均律クラヴィーア曲集を巧みに演奏すると絶賛、そして

彼がこのまま進歩を続けるならば、必ずや第二の ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトになるであろう

と書かれていることが紹介されています。ほめちぎりですね!

ベートーヴェンが最も敬愛したのはモーツァルトのようです。モーツァルトとの一度だけの出会いについても書かれています。モーツァルトが内心、若いベートーヴェンの才能を見抜きながらそれを本人に言わなかったのは、認めるのはちょっと悔しかったのかなと思ったりしました。

ハイドンやサリエリにも師事していますね。なんか、すごい。

十代のうちから哲学書なども読み、また音楽教師や他の大人たちからの影響もあり、音楽だけではなく広く思想についても思いめぐらしていたことが、のちのちの彼の生き方につながっていくことに、とても興味を持って読み進めています。

ところで、著者の青木やよひさんってどんな人だろうと検索してみると、びっくり。興味のある人はこちらからどうぞ↓(さらに経歴は別のページに)

青木やよひの部屋

もう亡くなられているのですが、エコロジカル・フェミニスト(この言葉は初めて知りました)ということで、この考え方(エコロジカル・フェミニズム)は大変興味深いです。私も似たようなことを考えたりします。主流のフェミニズムについて詳しくないですが、エコロジカル・フェミニズムの方が問題の本質に迫っていると思えます。性別に関わらず、多くの人がなんとなくおかしいなと感じていることの本質に迫っている。これについては話がそれるし、ヘビーだし(汗)、これ以上ここでは書きませんが。

青木やよひさんが、ベートーヴェンを自分の思想とつながる芸術家と認識して書いた『ベートーヴェンの生涯』は、やはり面白いに違いない(笑)。ますます、期待が高まります。そういう意味ではロマン・ロランも、尊敬できる、共感できる人間として、ベートーヴェンについて書いているようです。こちらの本も持ってるからまた読むかもしれません。

録音の方も日々、取り組んでいます。編曲ものの録音は一旦終え、アルバム曲の録音に入っています。まだまだかかりそう~(汗)。

 

録音進捗 その6(禁じられた遊び)

ほとんど思い付きですが「禁じられた遊び」を弾いてみました。この有名な曲のタイトルは実は「愛のロマンス」なんですね、今回初めて知りました。映画「禁じられた遊び」の中で、特別有名なわけですね。

著作権フリーの譜面(多分ギター用)を見つけてちょっとピアノで弾くのに見やすいように記譜しなおしました。ほとんど変えていません。高すぎると感じたので1オクターブ下げました。

もちろん、今回も録音・編集の実験です。今回はコンデンサーマイクに付属のスポンジカバーをつけてみました。普通は歌手が使うときにつけるものです。息が雑音として拾われるのを防ぐためのものです。だから、あまり関係ないかなと思うのですが、音が少しでも柔らかく録れないかな?と期待して。詳しい方が聞かれたら笑われるようなことかもしれません。わかりません。そんなことばかりやっています(笑)。

実は、数日前、録音したピアノ音源のノイズ除去や、ミックス・マスタリングをされているところに、お試しでノイズ除去を頼んでみました。すでにYouTubeに上げてる曲ですが(ピアノ本体からのノイズだからあきらめて)、私がデモ版で使ってみているノイズ除去ソフト(RX7 elements)の一番グレードの上のAdvancedを使って除去されているということで、どの程度違うものか試してみたかったからです(もちろん単純にソフトのグレードの違いとは思っていません。技術と経験に期待)。

編集していただいたサンプルを聴くと、いい感じでした。見積り料金も、これなら考えてみてもいいかなくらいでした。それで、先々自分でミックス・マスタリングが思うレベルに全然達しなかった時に(つまり自分で編集をあきらめた時)、またお願いするかもしれません。そうならないようにがんばっていますが、選択肢としては一応考えています。念のため。

それで、今回はRX7 elementsを買って(すごく安くなっていた!)AIでノイズ除去をしてみました(デモ版では保存ができないのです)。気持ち、少し音が良くなったような気もします(?)。AIを使わず手動でも調整ができますが、まだそこまで調べられていないのでとりあえず今回はAIで。

そして、今回は初めて動画撮影をしてみました。動画と録音を別々にして後で合わせるというようなことは面倒で、やることはないと思っていましたが、録音の準備なども多少慣れてきたので、できそうな気がして早速やりました。たまたま家にあった100均の簡易な短い三脚を台に乗せて撮るという横着なことをしたんですが、位置が良くなくて、撮った動画を見ると鍵盤は左上の端の方、大部分がピアノのボディで、鏡のように色々なものが写り込んでいて全然いい雰囲気じゃなかった。それで、マイクで録った音源と合わせる際に、鍵盤と手のところを拡大し、写り込んだものが見えないように背景を暗くし、モノトーンで映像作品のように(?)仕上げてみました。

曲の頭の部分を合わせるのも大変でした。専用のソフトがあればなんてことないのかもしれないけど、私の使ってるのそこまで便利にできてなくて、動画の演奏の始まりとマイク録音の音源の始まりがなかなか合わない(動画の方は音を消して映像だけを使うから音のずれはないけど、両方がぴったりでないと手の動きと音がずれる)。ちょっと時間かかったけどなんとか合わせました。

5月になって急に暑くなってきましたね。緑が生き生きと元気づいています。うちの小さな花壇(60cm x 90cm)では例年通り、勢力争いが見られます(笑)。どれもツワモノばかり。ホトトギス、ナルコユリ、クリスマスローズ、ヤブコウジ、ヤブラン、紫紺菊、ヤマアジサイ、ブルーベリー、水仙(今期は終了)、間に雑草。まあ、欲張って植え過ぎです(笑)。これらのうちいくつかは抜いても抜いても地下茎によって伸びているようで、違う所から顔を出す。肥料もほとんどやらず、水を適当にやっているだけなんですが。

元々数少ない演奏機会も、しばらくの間ないでしょう。残念ですが、その分家での録音作業に取り組めるので引き続き進めていきます。