ベートーヴェンの本

1日のうち、本を読む時間というのはほとんどないのですが(優先順位をつけるとそうなる)、最近また本を読みたい気分で、隙間時間を使って読んでいます。ながら読書です。主に夜、ドライヤーで髪を乾かしている時間などですが、手も耳も使えないけど目があいているので(笑)、パソコンで電子書籍です。そのあと、iPhoneでも読めるから続きをちょこっとストレッチしながらとか。

他に、最近またオーディオブックやYouTubeの朗読なども聞いています。これは台所で、手と目は料理に使うけど耳があいているから(笑)。特に台所に立つ時間は1日3時間以上はあるかな(片づけにも時間かかるしね)、長いので使わないともったいない。音楽を聴くこともあるけれど、ストリーミングの再生リストを流していると(いちいち手を止めて選んでられないので)、そのうち似たような曲、同じ曲ばかりかかってくるので、聴くのをやめてしまいます。おすすめ機能は気がきいているようで、微妙ですね。そしてまた本を求める。でもそれが続くとまた、活字から解き放たれ音楽で頭をほぐしたいと思ったりするのですが(笑)。台所でそれを繰り返している感じです。

最近読み始めた電子書籍は『ベートーヴェンの生涯』(平凡社)です。ロマン・ロランのが有名だと思うし、安かったし、それを買ったんですが、もう少しみてみると青木やよひさんという方の書かれた同じタイトルの本があり、レビューを見るとかなり高評価。これまでのベートーヴェンの伝記よりも、より細かく調べられていて信頼性が高い内容であるということで、サンプルを読んでみるとこちらの方が良さそうで、結局こちらも買ってそれを読んでいます。

ベートーヴェンについては、音楽家という側面以上に人として興味がありました。詳しくは知らないのですが、音楽(西洋クラシック音楽)を貴族や宗教ためのものから民衆のものへと変えたのが彼であるというようなことについて少し別の本で読んだ記憶があります。それってけっこうすごいことなんじゃないかなと思っていました。

ベートーヴェンの作品は、ピアノソナタを何曲か十代の頃レッスンで弾きましたが、それほど強い思い入れがあるわけでもなく、その後はソナタや他の小品などたまに弾くこともあるというくらいでした。今回はたまたま本を見つけたので、改めてベートーヴェンという人について知ろうと思いました。

他の音楽家の場合もそうですが、ベートーヴェンも生い立ちからすでに興味深い。興味そそられる点が多くて、とても紹介しきれませんが、最初の方はざーっくりこんな感じ。祖父の代から音楽家の家で、幼いころから父に厳しい音楽教育を受け(ほとんど虐待?)、父親よりも才能があり、家は父親が酒に溺れて家計が苦しく、母親が亡くなり、十代で兄弟や父親の面倒を見なければならなくなった(音楽で稼ぐ)という流れの中、それでもベートーヴェンは自分につらく当たってきた父親を受け入れ、大事にした。まずは彼の優しさ(人柄)に感動しました(大人だなぁ)。

即興演奏が得意な少年でしたが、10歳で初めて本格的に作曲を習います。最初の教材はバッハの『平均律クラヴィーア曲集』(いきなり!)。

1783年3月2日付の「マガツィーン・デア・ムジーク」で書かれた記事が、ベートーヴェンについての最初の報道記事で、その中で、11歳(実は12歳)のベートーヴェンが平均律クラヴィーア曲集を巧みに演奏すると絶賛、そして

彼がこのまま進歩を続けるならば、必ずや第二の ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトになるであろう

と書かれていることが紹介されています。ほめちぎりですね!

ベートーヴェンが最も敬愛したのはモーツァルトのようです。モーツァルトとの一度だけの出会いについても書かれています。モーツァルトが内心、若いベートーヴェンの才能を見抜きながらそれを本人に言わなかったのは、認めるのはちょっと悔しかったのかなと思ったりしました。

ハイドンやサリエリにも師事していますね。なんか、すごい。

十代のうちから哲学書なども読み、また音楽教師や他の大人たちからの影響もあり、音楽だけではなく広く思想についても思いめぐらしていたことが、のちのちの彼の生き方につながっていくことに、とても興味を持って読み進めています。

ところで、著者の青木やよひさんってどんな人だろうと検索してみると、びっくり。興味のある人はこちらからどうぞ↓(さらに経歴は別のページに)

もう亡くなられているのですが、エコロジカル・フェミニスト(この言葉は初めて知りました)ということで、この考え方(エコロジカル・フェミニズム)は大変興味深いです。私も似たようなことを考えたりします。主流のフェミニズムについて詳しくないですが、エコロジカル・フェミニズムの方が問題の本質に迫っていると思えます。性別に関わらず、多くの人がなんとなくおかしいなと感じていることの本質に迫っている。これについては話がそれるし、ヘビーだし(汗)、これ以上ここでは書きませんが。

青木やよひさんが、ベートーヴェンを自分の思想とつながる芸術家と認識して書いた『ベートーヴェンの生涯』は、やはり面白いに違いない(笑)。ますます、期待が高まります。そういう意味ではロマン・ロランも、尊敬できる、共感できる人間として、ベートーヴェンについて書いているようです。こちらの本も持ってるからまた読むかもしれません。

録音の方も日々、取り組んでいます。編曲ものの録音は一旦終え、アルバム曲の録音に入っています。まだまだかかりそう~(汗)。