先日、友だちが、知り合いの80代の女性にピアノレッスンをプレゼントしたいのだけどと相談してきました。その女性は私も何度か会ったことありますが、ピアノを持ってらっしゃるとは知りませんでした。
もちろん、ご本人にその気があるならOKよ、と返事しました。
その後、友だちはとりあえずレッスンチケットをプレゼント。そして返事を待っていたら、すぐにレッスンを受けたいと連絡があったそうです。
そして、おとといその女性のお宅に行ってきました。
元々、友だちが提案してくれたことなので、いざ始めるとなると、どうしましょ?となりました。ピアノ経験について伺うと、子どもの頃に少し習っていて、そして何年か前にもレッスンに行ってらっしゃったということです。そして、もう遠いから通えないと。
とりあえず、どれくらい弾かれるかお聴きしたいので、弾いてくださいというと、すぐに譜面も見ずにバイエルの曲を2曲弾かれました。間違えつつも手になじんでるようなので、子どもの頃弾いたのをずっと覚えてられるのかなと思いました。それからソナチネの譜面を出して弾きはじめられました。これも以前弾いてらっしゃったようですが、少し無理があるようでした。
それで、しばらく弾きたいと言われるソナチネを私が弾いてみたり、片手ずつ弾いてもらったり、部分練習をしてもらったり、その他色々とアドバイスをしながらすすめていきました。
肩、腕、手と全体的に力が入っているようで、もっと楽にして弾けるといいけど、長年それで弾いてられるのだと思うし、力を抜くように促しましたが、すぐにはなかなか難しいかもしれません。無理な弾き方をして手を傷めなければいいのですが。
約束の1時間はすぐに過ぎました。1回でできることは限られています。なんとなく、それでどうします?という話になり、レッスンはとりあえず続くことになりました。私はとにかくご本人次第と念を押しました。無理にすることは何もないのだし。
レッスンの意味は年齢やその人の目的によって変わってくるのは当然ですが、今回改めて、一つのコミュニケーションだなと思いました。ある行為を通して人と人がつながる、ある時間共通の対象に向き合いその場の体験を共有する、そういう意味合いもあるなと思いました。レッスンの本来の一番の目的は、上達すること、させることだと思いますが、別の側面について思い至りました。
当然のことながら、私は今回のレッスンからいくつかの気づきを得ました。友だちにも感謝です。レッスンを受けられた女性はどう思われたか、特別な感想はなかったのでわかりませんが。
世の中には立派なピアノの先生がたくさんいらっしゃるけど、目的、住んでる場所、タイミング、フィーリングなど様々な条件がある中で、私にお願いしてくださる方もいらっしゃる。
貴重なご縁を大切にしたいと思います。