「切り絵」(お話と音楽)

先日「月のひかり」というお話に音楽を合わせてYouTubeにアップしましたが、今度は「切り絵」というお話です。これも昔夫と作ったいまむら文庫の作品です。

このお話は、うちの子が小学1年生の終わりに、当時夫の転勤のため暮らしていた岡山から引っ越す際に感じたことにヒントを得ています。うちの子が生後6ヶ月から1年生の終わりごろまでの間住んでいた賃貸マンションには、たくさんの子どもたちがいて毎日毎日お互いの家や、マンションの敷地で遊んで楽しく過ごしていました。夫が会社を辞め引っ越すことになりましたが、まだ小さいから、友だちと離れても多分大丈夫だろうと思っていたんです。でも、引っ越しの前日、娘に泣かれてしまって、ああ、わかってるんだ、可哀そうなことをしてしまったと、たまらない気持ちになりました。

私たちがいた部屋には、引き続き岡山で一緒だった会社の後輩家族が引っ越して来ましたが、その人から、同じ階の一番仲良かった娘より一つ年下の男の子が毎日ピンポンをならしにくると聞き、その様子が目に浮かび泣けてきました。引っ越したことを忘れているのか、わかっているけど会いたがっているのか。仲良かった子どもたちを引き離してしまったことに胸が痛み、今でも思い出すと切なくなります。

「切り絵」の設定は、もう少しだけ大きな子たちですが、子どもの目線で「別れ」について書いたお話です。ずっと一緒にいると思っていた友だちがいなくなる。それがどういうことか、すぐにはわからない。子どもなりの心の変化を表現したいと思いました。ちなみに、思いっきり関西弁ですので(笑)。

曲はアルバム「imaginary world (remastered version)」より「めぐりあい/encounter」」です。

よかったらご視聴ください。