もうだいぶ日がたちましたが、9月22日にイナズマロックフェスへ行った時のことを書こうと思います。
このフェスは今年で11年目ということですが、うちの娘が主催者西川貴教さんのファンで、毎年欠かさず通ってきました。今年、直前になり一緒に行くはずだった娘の友だちが行けなくなり、一人ではつまらないなあというので、土日のうち日曜だけ夫と一緒に付き合うことにしました。
PAを使った大音量の音楽はもう苦手になって長らく遠ざかっていたし、ロックフェスにも特別興味はなかった(西川さんの音楽は娘を介して知ってて親しみのあるのもあります)のですが、このフェスは無料エリアが充実していて、そこでミニライブがある(別に聴かなくてもいい)、たくさんの屋台があっておいしいものが色々ある、ピクニック感覚で過ごせて子連れでも来やすいなど、音楽目的でなくても地元の人たちに来てもらって楽しんでもらうような配慮が色々なされているようで、そういった点は興味があったし、夫と私も特に目当てのバンドがなくても無料エリアで過ごせるかなと思いました(チケットのある娘は目当ての西川さんや気になる人のライブの時だけ有料エリアに)。
実際行ってみると、大体イメージどおりでした。たくさんの人、様々な屋台、小さな子がいる家族連れ、年配の人たちも。無料エリアにはミニライブステージが二つ。一つはバンド用。もう一つはゆるキャラメインで芸人なども出てくるステージ。だけど、聞いていて知ってることと、その場で感じることはずいぶん違いました。当たり前だけど。
人々のファッション。目当てのバンドのTシャツやグッズを身に着けていたり、その日に合わせて自分をアピールするような恰好をしている人たちがたくさん。フェスに来た人たちが能動的に参加する意思表示をしていると思える。一体感を楽しめるのだと思う。
ロックのビートは本能をくすぐる? 多分、ロックを楽しんでいる人たちは、音楽理論とか音楽ジャンルのヒエラルキーとかそういうことをあまり考えず、感じるままにまかせているのではと改めて思いました。バスドラムの刻む、ドンドンドンドンという低い響きが体を動かすように誘い出す感じ。皆音楽に反応して思い思いにリズムをとる。周りのわくわく感がいっぱい伝わってきました。クラシックのように、じっくり静かに聴くというのも音楽の楽しみ方だと思うけど、自由に感じて体を動かして一緒に口ずさんでという楽しみ方ってより自然な感じがします。野外だからね、余計に開放的になるのだと思う。
そして、音楽関係ないけどゆるキャラ(笑)。めっちゃ踊ってましたけど(笑)。これが今回一番インパクトあったかも(笑)。私はもともと興味なかったのですが、お祭りではかなり威力を発揮するのではとちょっと見方が変わった。もちろん、子どもたちは大好き。でも、大人も皆握手したり触ったり喜んでる。なんやろう、いきなり目の前に現れると、その違和感に脱力してしまう(笑)。なにこれ、一体。有無を言わせぬ存在感。皆を笑顔にしてしまう。大人が動揺するなんてナンセンスだ!と思いたい自分がいる一方、なんとなく見えない力に誘われるようにスマホを向けて撮影(笑)。人物はあまり写さない方がいいかと気を遣うけどゆるキャラは気兼ねなく撮れる。撮ってくださーいって感じやし(笑)。ゆるキャラ好きな日本人って謎だと思っていましたが、何か必然性があるのかも? 癒しとか? 現実逃避とか??
屋台の食べ物も、地元の食材を使ったものを含めこだわったものが多く(このフェスで店を出すためのコンペもある)、このフェスの特徴の一つでもあるようです。結局人気店には行列ができていたので、買いやすいものを買いました。近所の人が散歩がてらにやってきて、食べたいものを買って、その辺に座って食べるだけでもありのフェスですね(笑)。
ちょっとだけネガティブなことを言うと、ミニステージ(バンドの方)のエリア内はかなりのボリュームで耳はもちろん、胸にもバンバン響いて苦しいほどで私は長くはいられませんでした(音には物理的な圧力があることを体感できました)。慣れてないせいかもしれないけど(慣れるとわからなくなる?でも耳大丈夫?)。有料エリアではどの程度だろう? 周りへの影響もちょっと気になる。
色々ありましたけど、とにかく西川貴教さんはすごいなあ、改めて。歌手としても実力とオーラを兼ね備えているけど、10万人を超える人々を滋賀の草津に全国から呼び寄せ、町おこし的なフェスを実現している。ちなみに西川さんは滋賀の観光大使なんですね。私は初めて西川さんの生の声を無料エリアで聴きました(音が大きいから聞こえてくる)。バラエティなんかではおちゃらけてるけど、やはり歌ってる時はかっこいいな。
実は上の文章の大部分は、フェスに行った日か次の日に書いたものです。全体として楽しかったし、フェスのポジティブな面について書いていましたが、ネガティブに感じた部分もあったなあとどうしようかと思ってそのまま放置していました。でも、その時感じて書いたことは生々しく自分にとっても貴重だと思い、ネガティブな点も含め少し書き加え一つの記事として仕上げてみようと思いました。
感じたこと、考えたことはやはりその時でないとどんどん薄れていってしまうから、多分今思い出して書くとしたら違う文章になっていたかもしれない。今読んでみて、ああそうだったとその時の感じが蘇ってきた。だからなるべく文章は、まだ感覚が新鮮なうちに書き残しておくのがいいのだろうなと改めて思ったのでした。