テクニックを学ぶ目的とは?

最近、ほぼざざっと読み終えた本、『ピアノ・テクニックの科学ープロフェッサー・ヤンケのピアノメソード』(アンスガー・ヤンケ+晴美・ヤンケ著/アルテスバブリッシング)はなかなかすごい本でした。ピアニストで教育者であったアンスガー・ヤンケさんは、ピアノテクニックの学習において一般的に行われている練習方法(ハノンやツェルニーなど)もバサバサと切り捨て(さんざんやりましたよ(^_^;))、何がよりよい方法なのか、深く追求しています。「楽器、及び身体(腕、手)の構造が演奏動作の条件を定める」(引用)ということを前提として。

「はじめに」のところで、テクニックを学ぶ真の目的を述べたアンスガー・ヤンケさんの言葉が紹介されています。

テクニックがすべてではない。この言葉はもちろん正しい。表現したいと思うものを何も持たない人は、最良のテクニックをもっても伝えることはできない。しかしながら同時にこうも言える。演奏者が感じ、イメージした響きのニュアンスが、目的に適った動きとなって楽器演奏に実現される瞬間では、テクニックがすべてである。「動きに」に変換させないのであれば感性も思考も響きとなっては表れず、演奏はごく個人的な領域に留まって、聴衆に本物の感動を呼びおこすことはない。

ああ本当に、表現したいことをうまく伝えるためのテクニックはまだまだ磨いていきたい!と思っています。自分の曲だからなおさら表現したい気持ちは持っているけれど、私のイメージではもっといい感じ(笑)。

ちょうど今の私にとって役に立ちそうなことを発見したので、早速練習に取り入れています。けっこうわくわくしながら。

(*画像をクリックするとアマゾンにとびます)