アンビエント・ミュージック(環境音楽)について少し

少し前から久しぶりにブライアン・イーノの音楽をBGMとして聴いています。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、彼はアンビエント・ミュージック(環境音楽)という音楽ジャンルを作った人です。調べてみますと(日本大百科全書)、エリック・サティの「家具の音楽」という考えに影響を受けたそうです。「音楽は集中して傾聴されるべき芸術作品ではなく、家具のように生活とともにあるべきものである」という考えです。「環境を遮断する音楽」ではなく「環境を包み込む音楽」という意味を込めて「アンビエント・ミュージック」と名づけられたそうです。ブライアン・イーノの音楽を聴いていると現代美術の展示会場を思い出します。そういう場所でこういった音楽が流れていることがありますから。

音楽は好みや気分によって聞こえ方も変わるし、感じ方は人それぞれですが、ブライアン・イーノはずっとかけていても、聞いていてもいなくても差しさわりないというか、でも確実に現代美術の会場を想像させてくれる(笑)影響力がある、私には。強い主張がなくてもじわじわっと感覚にしみてくるような感じがある。

クラシックの場合、おおざっぱに言えば「調性のある曲」というのが人の感情に訴える作用があり、無調に近づくほどつかみどころがなくなり、無調になるとまた違った感情(通(つう)ではなく一般の人にはついていけない?現代音楽の方すみません)が芽生えるという感じだと思います。

環境音楽は調性は感じられないけれど、クラシックの無調音楽のような難しさがなく、ブライアン・イーノがこのジャンルを作った目的のように、主張せず漂うようにそこにある音楽というのが特徴なのかなと感じています。

こういう音楽の「あり方」に改めて興味をそそられているので、しばらく聴いてみようと思っています。