ボディ・マップ

『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』(トーマス・マーク他著/春秋社)を読んでいます。以前一度読んでいますが、その時とてもいいことが書いてあると思い、実際弾く時に試してみて意識していることがありますが、最近またボディ・マッピングなどについて人と話す機会が何度かあり、もちろん忘れている部分もたくさんあると思うし、もう一度読んでみようと思いました。

まず「ボディ・マップ」について書かれています。

「私たちの身体の位置や状態、動きは、脳の中でしっかりイメージされていて、このイメージを用いて全身の動きを協調させているのです。この脳内イメージこそがボディ・マップと呼ばれているものなのです」

このボティ・マップは変化するもので(例えば身体の成長に伴って)、

「あいまいだったり詳細だったり、正確だったり不正確だったりします」

一方、

「身体というのはある決まった構造をしており、その能力の範囲内でしか動かないのです」

つまり、実際の体の構造や動きとボディ・マップのギャップが大きいと、色々問題があるということです。ピアノ演奏でいうなら、間違ったボディ・マップによる力みや不自然な動きによって演奏の質を損なったり、手などの故障の原因となる。

ボディ・マップの質をあげること(イメージを実際の体の機能に近づける)が、演奏の質を上げ、故障の原因を減らすことになるわけですね。

良い演奏のためには、身体のことをちゃんと知った方がいいですね。演奏もダンスなど他のパフォーマンスと同じように、心身を切り離して考えることはできないものだと思います。内面を表すためには、身体をうまく使いこなさなければならない。この本でも次のように書かれています。

「音楽を奏でるために、身体と一体化した自己(セルフ)を動かす」

(ちょっとわかりにくい表現のような気もするのは、元が英語だから?)

良いボディ・マップは演奏家だけに限らず、スポーツをする人、また全ての人が体のトラブル(腰痛など)を回避するのに有効だと感じます。