ロシアン奏法を学びます

先日、ある先生からご紹介いただきロシアン奏法の松田紗依先生のレッスンを受けることとなりました。そして昨日、レッスンのためにアトリエ松田へ行ってきました。アトリエ松田はピティナのコンサート会場にもなっていて過去に何度か弾かせていただいたことがあります(ここ何年かは出たいなと思いつつ見送っていました)。先生も私のことを覚えてくださっていて、またお会いできてうれしかったです。このアトリエはもともと松田先生のおじい様の彫刻アトリエで、とてもいい雰囲気の部屋です。何年かぶりの、アトリエ松田のスタインウェイを弾いてその響きにうっとり。高い天井と木(木造)としっくい壁が音をまろやかにするのでしょう。

さて、ロシアン奏法ですが、ブログにも書いていますように、最近『ロシアピアニズム』(大野眞嗣氏著/yamaha music media)を読んだり、YouTubeなどでも解説を聞いたりして私なりに少しずつ勉強を始めていました。ロシアピアニズムという表現は、ロシア奏法とは違った意味合いで使われているように書かれているのを見ますが(定義が色々ある?)、イギリスでロシアン奏法を学び(英国王立音楽院教授スラミタ・アロノフスキー氏に師事され)、長年ロシアン奏法を研究・指導(教則本も多数作られています)されている松田先生がそのように表現されているので、これからそう呼びます。

日々、ピアノを弾いていて、自分がこれでいいのだろうか、どうだろうかとどこかで迷っていた部分が昨日いくらかクリアになった気がします。もちろん、それは始まりで、まだまだクリアになっていく部分があるのだろうなという予感もしました。先生がこの場合はこのように弾く、ここはこのように、という一つ一つにとても説得力があり、なるほどなるほどとうなずくばかり。どのようなタッチで、どのように響かせ音楽表現につなげるか、目からうろこが落ちる落ちる(笑)。

そんなレッスンの中で、タッチによって木の「しなり」が変わるというお話があり、ちょっと興奮しました(笑)。というのは、少し前に、ヨーロッパで活躍されている調律師さんが、YouTubeでピアノの構造から音色について考えることについて語られているのを見ていて、その中で鍵盤のタッチの仕方の違いで、ハンマーを動かすシャンクという部品が「しなる」という話を聞いたばかりだったからです。そのことにより、ハンマーが弦を打つ位置がほんの少し変わり、そのことによって基音と倍音のバランスが変わるということです。『ロシアピアニズム』にも倍音を増やし音色を豊かにすることについて書かれていましたが、昨日まさに、松田先生がタッチの違いによる倍音の響き方の違いを弾いて聞かせてくださいました。もう大納得です(笑)。

実は、何年か前、大阪梅田のKAWAIで行われた、松田先生とピアニスト関本昌平さんのセミナーに参加したことがあり、その時参加者全員がちょっとずつロシアン奏法のタッチについて体験するというコーナーがあり、ほんの短い時間先生から指導を受けましたが、その時はまだそれほどピンときていなかったんです。でも、昨日はビビビときました(笑)。

他に音楽の話など色々しましたが、先生が「縁」ですね、と言ってくださいました。私が音色にこだわって探求している中で、ロシアの奏法に改めて向き合い、結果教えを乞う形で松田先生の所へたどり着いたというのは、「縁」なのかもしれません。温かく迎えてくださって感謝感激です(笑)。

という感じで、しばらくはロシアン奏法の基礎を学びます!

アトリエにはいくつかのすてきな彫刻があります。
かわいいロシア奏法の本も見せていただきました。