『音楽は対話である』(ニコラウス・アーノンクール著)の中の「モーツァルトは改革者ではなかった」の中に次のような記述があります。
「かつて一度も聴いたことがなかったような、そして存在したことのなかったような音楽技法上のものを、新たに発明したり、用いたりすることなく、モーツァルトは同時代の作曲家と全く同じ媒体を使って、他に比べることのできない世界を音楽の中で表現したのであった。これはまさに謎ではないか。説明することも、理解することもできない」
現代はモーツァルトの時代に比べ、はるかに何もかも出尽くした状況だと思いますが、この考察の中に創作のヒントがある気がします。