クラシック音楽におけるポピュラー性とは?

シェーンベルクの『作曲の基礎技法』の中に、「ポピュラー調」、「ポピュラー性」という言葉が出てきます。前回のブログで武満徹がポピュラー音楽を嗜好したという、一柳彗さんの分析について書きましたが、例えばシェーンベルクは次のようなことを書いています。
「シューベルトの多くのメロディーがポピュラー性をもっているのは、ポピュラー音楽に見られるように、一つのリズム形が、たえず反復するからである。しかし、シューベルトのメロディーの高貴さは、そのゆたかな旋律線のなかに、本来のものとして秘められている」
また、
「彼らは、自分のテーマに、ちょっとした「ポピュラー調」を求めた。
(彼らはクラシック音楽の巨匠のこと)
クラシック音楽における、ポピュラー性とはやはりその言葉のとおり、わかりやすさ、親しみやすさということになるような感じですね。
バロック、古典、ロマン派(後期途中くらい?)くらいまでのクラシックはそういう意味ではわかりやすい、感情移入しやすいものが多かったのかもしれません。その後、だんだんとポピュラー性を排除していった(それが目的でなくても結果的に)のが、一般的に現代音楽と呼ばれているものでしょうか。
私はやはり自分の音楽を、「わかってほしい」からポピュラー調路線ですね(笑)。