ロシアピアニズムについて

前回ブログで少しご紹介した本『ロシアピアニズム』(大野眞嗣氏著/yamaha music media)の、とりあえず自分が知りたいと思う部分を大体読みました。知りたかった主な部分はロシアピアニズムにおける体の使い方についてですが、後から確認しやすいように、チェックしておきたい個所は書き出しました(あれどこに書いてあったっけ?と探すの大変ですからね)。

ロシアピアニズムの奏法との比較で書かれているのが、従来型(ドイツや西ヨーロッパの奏法)です。その一部をざっくり簡単にまとめてある部分があったので引用します。

従来の奏法 ロシアピアニズム
どこで支えるか 指の関節 手の内側や前腕の筋肉や腱
どのような運動が多いか 指を上にあげる 指を下に下げる
脱力 肘で腕の重さを抜く 手首で腕の重さを抜く
姿勢 椅子を低くし背筋を伸ばす 椅子を高くし前傾姿勢

ロシアピアニズムでは倍音を聴き響かせること、歌うように弾くこと、また間違った使い方で手を傷めないことなどを大事にしていて、そのためには上記のような体の使い方を基本にするということです(細かく言えば4大流派がある)。その他にも肩甲骨や鎖骨を意識することなどについても書かれています。これは『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』を読んでから、気にするようになったことです。手以外にも直接見えない体の部分に意識を向けることで、余計な力を抜く練習になります。

この本はクラシック作品の演奏をロシアピアニズムによって追究することを前提に、作曲家やロシアピアニズムのピアニストのことなども書かれています。今の私の目的はクラシック作品の追究ではなく、色々な奏法や体の使い方を改めて研究して、いいと思える部分は試してみて、より自分の出したい音を自由にコントロールできるようになることです。

ピアノは、弦楽器など耳で音を確かめて弾かなければならない楽器と違って、誰がドレミと弾いてもドレミと音が出るんですが、同じ楽器でも弾く人によって全然違う音が出ますよね。著者の大野眞嗣さんは本の中で何度も音色について書かれていますが、私も音色にこだわりたいです。それこそがアコースティックピアノの醍醐味だと思っています。録音すると音質が変わってしまうのは残念ですが……。

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