謎の音

前回、録音に手間取っていることについて書きましたが、録音時に気になることの一つが謎のカチカチというような音です。打鍵の際、ピアノのどこかの部位から出ている音のようですが(爪の音ではなく)、原因がわからずピアノの中を覗き込んでは探っていましたがわかりません。この音は今回録音したものを聴いてみるまでは気づいていませんでした。ちょっと良いコンデンサーマイクはこの音を拾うからでしょうか。気づいてからは、弾いてても気になるようになりました。マイクをピアノから離せばその音を拾いにくくなるけれど、全体的な音量が下る。なのでゲイン(録音時のボリューム)を上げると今度はカチカチ音も拾ってしまう(離した意味がない)。結局、カチカチ音を避けるためゲインを下げ気味で録音し、それをAIミックスプラグインのNeutron 3 Elementsを使って自動ミックスし、AIマスタリングプラグインのOzone 9 Elementsを使って(前回のブログでこれがまだ使えていませんでしたが、結局これを使えるようにするためのアドオンを買いました)、自動マスタリングしてみました。すると、録音時のゲインが低すぎるためか、マスタリングで音圧が上がると音が割れたようになってしまいました(仕上はAIだけどやはりちゃんと録音はしないとね!)。

カチカチ音を除くため、録音した音源のノイズを除去するプラグインのトライアル版も試してみましたが(これもAI搭載!)、やはりとれませんでした。これも高価なプラグインならとれるのかな?

とうとう、これはピアノを見てもらってカチカチ音の原因を特定した方がいいなと思い、調律師さんに来ていただきました。来てすぐ鍵盤を軽く触って、この音ですよねと、私の気になっている音をズバリ。どこから音が出ているか大体推測してくださっていたようです。グランドピアノ特有の音でもあるそうです(アップライトとは仕組みが違いますしね)。そして、1時間ほどかけて調整をしてくださいました。その後、弾いてみてカチカチ音は完全にはなくなってませんが、かなり目立たなくなりました。これ以上を望むならもう部品を変えたりしないといけないと思います。

調律師さんが帰られた後、改めて録音をしてみました。マイクが近いとやはりカチカチ音が少し入る。でも、マイクを離してゲインを上げでも前に比べカチカチ音はほとんど気にならなくなりました。調律師さんとも話しましたが、そもそも生ピアノなので、タンパーの音とか椅子の音とかカチカチ音とか入ってもある程度は仕方ないし、それも味わいかなあなどと。これまで行ったいくつかのスタジオでも、録音時の自然なノイズはいいと思うというエンジニアの人も何人かいらっしゃいました。どの程度ならOKと思えるか、難しいところです。

さて、これでピアノは見てもらって原因もある程度特定できたから納得。マイクの位置も大体決まりそうだしあとは録音。仕上はAIプラグインに手伝ってもらうものの、それだけでいいのか?課題はあるし、配信までこぎつけるにはまだしばらくかかりそうです。

以前、調律に来ていただいた際、最近変な音がするんですと言うと、これですか、とクリップか付せんの束か何かが落ちてたのを見つけてくださったことがあるので、今回も落ちてたりしないかなと何度も中をのぞいてたんです(笑)