フィリップさんのピアノはすごかった!

今日は、夫の知り合いの方に誘っていただいたジャズライブに行ってきました。場所はその知り合いのご夫婦が時々開かれているライブハウスで、最初ライブの話を聞いた時、ピアニストがフィリップ・ストレンジさんと知って驚きました。少し前にフィリップ・ストレンジさんと岡田暁生さん共著の『すごいジャズには理由(わけ)がある』を読んでいて、フィリップさんがとてもすばらしいピアニストであると知っていたからです。

そして、実際その演奏を聴いて、思っていた以上でした。テクニック、リズム感など技術的な面も圧倒的に素晴らしいのですが、より引き込まれたのは音楽性と表現力です。ジャズの即興は実際、聴いててよくわからないということも少なくないのですが、フィリップさんの即興は魅力あふれていてその音楽にとても引きこまれる。それがなぜかはよくわかりません。今日のプログラムがスタンダードとか知っていて親しみのある曲が多かったというのもあるかもしれませんが、即興の中に非常に深みのある音楽が盛り込まれている。そして、丁寧で繊細な表現。フィリップさんが弾いている姿を見ながら、どうしたらあのように素敵な演奏ができるか、羨望のまなざしを送り続けていました(笑)。

途中の休憩時、二人のミュージシャンは二人のお客さんと立ち話をしていましたが、夫が行ってきたらというので、うしろで待っていると、どうぞどうぞと輪に入れてくださって、私がフィリップさんに話しかけたらそれからはしばらく二人で話ができました。音楽の話、ピアノの話、キース・ジャレットの話など。フィリップさんがキース・ジャレットの論文を書かれていることを著書で知っていたので。

もう一人のギタリストは、ジョシュア・ブレイクストーンという人で知らなかったのですが(実はけっこうすごそうな人です)、とても楽しい人でした。途中、フィリップさんがめちゃ乗ってきて即興を繰り広げだした時、ジョシュアさんはギターを置いて部屋を出ていきました(笑)。もう、一人でやっといて!って感じで。

ライブハウスは小さな部屋ですが、そのためかアットホームな雰囲気でお客さん同士、そしてミュージシャンとが自然と打ち解けやすい感じで、また普段ジャズを聴かな人でも楽しめるような、優しさと温かみがあっていいライブだなあと思いました。